予防に勝る治療無し

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

高齢者の大腿骨骨折、特に大腿骨近位部骨折は人生の質を大きく左右する重大な出来事です。

80代以上の高齢者がこの骨折を負った場合、社会復帰(自宅復帰や自立した生活への復帰)の可能性はどの程度あるのでしょうか?

また骨折後の認知機能の低下や痴呆の進行が顕著に見られるケースも多く、予防の重要性がますます浮き彫りになっています。

「予防に勝る治療無し」という言葉通り、骨折を未然に防ぐことが高齢者の健康と自立を維持する鍵です。

エビデンスに基づく社会復帰率や認知機能の変化、そして骨折予防の要である筋力トレーニングの重要性について解説した文は以下の通りです。

社会復帰率:厳しい現実とその要因

80代以上の高齢者が大腿骨骨折を負った場合、自宅復帰率は約20~40%程度とされています。

特に90歳以上の超高齢者ではこの割合はさらに低下し、約29%が自宅や施設に退院し、42%がリハビリ病院への転院を余儀なくされます(日本整形外科学会『大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン』)。

骨折前の日常生活動作(ADL)が自立していた患者は復帰率が高いものの、すでに要介護状態だった場合や併存疾患がある場合、自宅復帰は難しくなります。

社会復帰を左右する要因は多岐にわたります。

まず、骨折後48時間以内の早期手術は肺炎や褥瘡などの合併症リスクを減らし、機能予後を改善します。

また積極的なリハビリテーションは歩行能力の回復に寄与しますが、80代以上では筋力低下や持久力の限界により、完全な回復は困難な場合が多いです。

さらに心疾患や糖尿病、骨粗鬆症といった併存疾患は予後を悪化させ、特に骨粗鬆症は再骨折リスクを高めます。

骨折後1年以内の生存率は約50~75%、5年生存率は約60%と報告されており、約30%が永続的な機能障害、40%が歩行不能、80%が少なくとも1つのADLに障害を残すとされています。

これらのデータから完全な社会復帰は少数派であり、「予防に勝る治療無し」の重要性が改めて認識されます。

認知機能の低下:骨折が引き起こす連鎖

大腿骨骨折後の認知機能低下は臨床現場でよく観察される問題です。

特に90歳以上の高齢者では骨折前から認知症の有病率が約55%と高く、骨折後のADL不良群では65%に達します。

骨折や手術、入院による環境変化はせん妄(Delirium)を引き起こしやすく、これが認知症の進行を加速させることがあります。

研究によると骨折患者の約20~40%が入院中にせん妄を経験し、一時的な場合もあれば長期的な認知機能低下につながるケースも少なくありません。

せん妄の原因には、痛み、麻酔や薬剤の影響、睡眠障害、栄養不良、さらに入院による社会的孤立や活動量の低下が関与します。

特に、安静臥床が長期間続くと「廃用症候群」が進行し、身体機能と認知機能の両方が急速に衰えます。このような状況を防ぐためには、早期の離床やリハビリテーション、家族の関与、環境調整(照明や騒音の管理)が有効です。

しかし骨折後の認知機能低下は避けられないケースも多く、「予防に勝る治療無し」という原則がここでも当てはまります。

骨折予防の鍵:筋力トレーニングと「貯筋」

「年齢を重ねるにつれて貯金よりも貯筋」という言葉が示すように、高齢期の健康維持には筋肉量の維持が不可欠です。

大腿骨骨折の主な原因は転倒であり、転倒リスクは筋力低下やバランス能力の衰えと密接に関連しています。

「骨を強くするには筋力トレーニングが必須」であり、筋力トレーニングは骨密度の維持や向上にも寄与します。

骨粗鬆症の予防にはカルシウムやビタミンDの摂取も重要ですが、筋力トレーニングがなければ骨への刺激が不足し、骨折リスクは高まります。

「骨折予防にも転倒予防にも筋力トレーニングは急務」です。

例えば、週に2~3回のレジスタンス運動やバランス訓練(片足立ちや太極拳など)は、転倒リスクを約20~30%低減することが研究で示されています。

また筋力トレーニングは筋肉量を維持するだけでなく、認知機能の維持にも効果的です。

運動は脳に酸素を供給し、神経の可塑性を高め、認知症の進行を遅らせる可能性があります。80代以上でも、椅子に座ったままできる簡単な運動や、理学療法士の指導のもとでのプログラムが有効です。

予防に向けた実践

骨折予防と社会復帰の可能性を高めるためには、以下のような実践が推奨されます

  • 筋力トレーニング:週に数回の軽い筋力トレーニングやウォーキングを習慣化する。「貯筋」を意識し、筋肉量を維持する。
  • 栄養管理:カルシウム、ビタミンD、タンパク質を十分に摂取し、骨と筋肉を強化する。
  • 転倒予防:自宅内の段差解消や手すりの設置、滑り止めマットの使用など、環境整備を行う。
  • 早期リハビリ:骨折後は可能な限り早期にリハビリを開始し、せん妄や廃用症候群を防ぐ。
  • 多職種連携:医師、看護師、リハビリスタッフ、栄養士が連携し、包括的なケアを提供する。

結論

80代以上の高齢者の大腿骨骨折後の社会復帰率は20~40%程度と低く、認知機能の低下や痴呆の進行も多く見られます。

これらのリスクを軽減するには骨折後の早期手術やリハビリが重要ですが、何よりも「予防に勝る治療無し」です。

「年齢を重ねるにつれて貯金よりも貯筋」を心がけ、「骨を強くするには筋力トレーニングが必須」という意識を持つ事が骨折予防と健康寿命の延伸につながります。

「骨折予防にも転倒予防にも筋力トレーニングは急務」であり、今日からできる小さな運動が将来の自立を守る鍵となるでしょう。

高齢者自身や家族、医療従事者が一丸となって予防に取り組む事で骨折の連鎖を断ち切り、活力ある高齢期を実現できます。

今すぐ筋力トレーニングを始めましょうと言う話です。

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