神経系の疲労が筋パフォーマンスに与える影響

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
筋力トレーニングやスポーツのパフォーマンスを高めるには、筋肉だけでなく神経系の働きが重要です。
特に筋パワーや筋ストレングスを発揮する際、神経系の「発火頻度」と「神経伝達物質」が鍵を握ります。
しかしトレーニングで神経系が疲労するとこれらがどう影響を受けるのか?神経系の疲労が運動ニューロンの発火頻度とカテコールアミンなどの神経伝達物質にどう影響するのか?など両者の関係を解説した物は以下の通りです。
筋パワーと筋ストレングスの違い
まず筋パワーと筋ストレングスの違いを簡単におさらいします。
筋ストレングスは筋肉が発揮できる最大の力で、例えば1回だけ重いバーベルを持ち上げる能力(1RM)がこれに当たり、これは筋断面積の大きさに比例します。
一方の筋パワーは一定時間内に力をどれだけ速く発揮できるかで、ジャンプやスプリントのような瞬発的な動きに必要です。
筋パワーは筋力に加えて神経系の素早い信号伝達が欠かせず、この信号伝達の中心にあるのが運動ニューロンの「発火頻度」と神経伝達物質です。
運動ニューロンの発火頻度とは?
発火頻度とは運動ニューロンが筋肉に信号を送る頻度、つまり1秒間にどれだけ多くの電気信号(インパルス)が送られるかを指します。
発火頻度が高い程筋肉は強く、速く収縮します。
例えばウエイトリフティングのスナッチでは神経系が一瞬で高頻度の信号を送り、筋繊維を爆発的に動員します。
これにより筋パワーが最大限に発揮され、逆に発火頻度が低いと筋肉の動員が減り、力やスピードが落ちてしまいます。
神経系の疲労とは?
神経系の疲労(中枢性疲労)は、脳や脊髄、運動ニューロンが一時的に機能を低下させる状態です。筋肉自体の疲労(末梢性疲労)とは異なり、神経系が筋肉に適切な信号を送れなくなることで、パフォーマンスが低下します。原因は、高強度な運動によるエネルギー枯渇や、乳酸、アンモニアなどの代謝物の蓄積、さらには精神的ストレスなどです。この疲労が、発火頻度や神経伝達物質にどう影響するのか、詳しく見ていきましょう。
発火頻度への影響
神経系が疲労すると運動ニューロンの発火頻度が低下します。
これは脳の興奮性が下がったり、神経筋接合部での信号伝達が弱まったりするためです。
例えば高重量のデッドリフトを繰り返すと、セット後半で「力が抜ける」感覚や動作の遅さが顕著になります。
これは発火頻度が低下し筋繊維の動員数が減る為で、特に速筋繊維(タイプII)は高発火頻度に依存する為に筋パワーの低下が顕著です。
高強度なスプリントや重量挙げでは数秒~数分でこの影響が出やすく、セット間の休息(2~5分)が回復にとても重要です。
神経伝達物質への影響
神経伝達物質、特にカテコールアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)やアセチルコリンも神経系の疲労で影響を受けます。
高強度運動では神経筋接合部でアセチルコリンが急速に消費され、信号伝達が弱まります。
また長時間の運動ではカテコールアミンが過剰に放出された後に枯渇状態に陥り、集中力や運動意欲が低下します。
例えばマラソンの後半で「頭がぼーっとする」「フォームが崩れる」のは、カテコールアミン不足による中枢性疲労が原因です。
高強度運動ではアセチルコリンの枯渇が早く、長時間運動ではカテコールアミンの影響が大きくなります。
発火頻度と神経伝達物質の相互作用
発火頻度と神経伝達物質は密接に関連し、疲労が両者に悪循環をもたらします。
高発火頻度でアセチルコリンが枯渇すると信号伝達が弱まり、発火頻度がさらに低下します。
またカテコールアミンの不足は脳の興奮性を下げる事で発火頻度を抑制します。
例えばクロスフィットのような高強度インターバルトレーニングでは発火頻度の低下とカテコールアミン枯渇が重なり、パフォーマンスが急激に落ちることがあります。スプリントを繰り返す場合でも最初の数本は発火頻度が高くパワフルですが、連続するとアセチルコリンとカテコールアミンが不足する事でスピードや集中力が低下します。
実践的な対策
神経系の疲労を防ぎ、パフォーマンスを維持するにはどうすればいいでしょうか?
高強度運動ではセット間に2~5分の休息を取り、発火頻度の回復を促しましょう。
長時間運動では糖質補給やカフェイン(適量)でカテコールアミンの放出をサポートします。
またマグネシウムやビタミンB群、オメガ3脂肪酸の摂取は、神経伝達や回復を助けます。
トレーニング計画では高強度セッション後に24~72時間の休息を確保し、アクティブリカバリーや十分な睡眠で神経系を整えましょう。
プライオメトリクスや低重量・高速レップのトレーニングは活動電位の発火頻度を高めるトレーニングとして効果的です。
まとめ
神経系の疲労は運動ニューロンの発火頻度とカテコールアミンなどの神経伝達物質の両方に影響を与えます。
高強度運動では発火頻度の低下が主でアセチルコリンの枯渇が関与、長時間運動ではカテコールアミンの不足が中枢性疲労を引き起こし、発火頻度も二次的に低下します。
適切な休息、栄養、トレーニング計画でこれらの影響を抑え、筋パワーや筋ストレングスを最大限に引き出しましょう。
自分のトレーニングに合わせて、ぜひ試してみてくださいと言う話です。
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