高額商品だから効果がある訳でも無い

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

「食べなければ痩せる」という考えはダイエットを考える多くの人が一度は耳にする言葉ですが、この考えは科学的根拠に欠け健康を損なうリスクを孕んでいます。

食事制限やファスティングにまつわる誤解を解き明かし、エビデンスに基づいた健康的なダイエットについて考察したものは以下の通りです。

まず「食べなければ痩せる」という発想は一見合理的ですが、完全に間違いです。

体重を減らすにはエネルギー収支が重要で、摂取カロリーが消費カロリーを下回れば体重は減少します。

しかし極端な食事制限は栄養不足や筋肉量の低下を引き起こし、基礎代謝を下げる要因となります。

基礎代謝とは安静時に体が消費するエネルギーの事で、これが低下すると少ないカロリーでも太りやすくなる「リバウンド」のリスクが高まります。 

2015年の『American Journal of Clinical Nutrition』に掲載された研究では極端なカロリー制限を行った場合、筋肉量の減少と代謝率の低下が確認されており長期的な体重管理には不適とされています。

したがって運動、特に筋力トレーニングを取り入れ筋肉を維持しながら適度なカロリー制限を行う事がリバウンドを防ぐ鍵となります。

次に、ファスティング(断食)について考えてみましょう。

ファスティングとは一定期間食事を摂らないことで「デトックス効果」や「オートファジー効果」を期待するダイエット法として注目されています。

オートファジーとは細胞が古くなった成分を分解しリサイクルする仕組みで、2016年に大隅良典氏がノーベル賞を受賞したことで話題になりました。

しかしファスティングによるオートファジーの健康効果については動物実験では一定の効果が示唆されているものの、人体での明確なエビデンスはまだ不足しています。

2020年の『Nature Reviews Molecular Cell Biology』のレビューではオートファジーが健康や長寿に寄与する可能性は指摘されているものの、ファスティングの最適な期間や頻度については結論が出ていません。

また「デトックス効果」についてもファスティングによる特別な効果は科学的に証明されていません。

よってファスティングをダイエットの一環として選ぶのは個人の自由ですが、過剰な期待は避けるべきでしょう。

さらにファスティングとセットで販売される「高額な酵素ドリンク」についてもこの際ですから触れておきます。

これらの商品はファスティング中の栄養補給や代謝促進を謳い、しばしば高価格で販売されています。

しかし酵素は消化器官で分解されるため、飲料として摂取しても体内で特別な効果を発揮する可能性は非常に低いです。

2021年の『Journal of Nutrition』に掲載された研究では酵素ドリンクが一般的な栄養素補給以上の効果を持つ証拠は見当たらないと報告されています。

高額な酵素ドリンクは、企業の利益追求を優先した商品と見做されても仕方ありませんし、100歩譲って言葉を選んでも「費用対効果が極めて低い」と言わざるを得ないでしょう。

ファスティングを行う場合の必要な栄養素は野菜ジュースや低カロリーのスープで十分補えるため、わざわざ高額な商品を購入する必要はありません(そもそも個人的にファスティングは推奨しません)。

では健康的なダイエットとはバランスの取れた食事と適度な運動が基本です。

具体的にはたんぱく質を十分に摂り、野菜や全粒穀物を中心とした食事を心がけることが推奨されます。

運動に関しては筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせることで、筋肉量を維持しつつ体脂肪を減らす効果が期待できます。

2018年の『Obesity Reviews』のメタ分析では食事制限と運動を組み合わせたダイエットが、単なる食事制限よりも体重維持に有効であることが示されています。

また急激な減量よりも1週間に0.5~1kgのペースでゆっくり体重を減らす方が代謝の低下を抑え、リバウンドのリスクを低減します。

最後にダイエットは個人のライフスタイルや目標に合わせた選択が重要です。

高額な商品に頼るのではなく、科学的根拠に基づいた方法を選ぶことが健康と経済の両面で賢明な選択なのです。

何にせよ自分に合った持続可能なダイエットを見つけ、健康的な身体を目指しましょうと言う話です。

滋賀県大津市月輪1丁目3−8 アル・プラザ瀬田 4F 女性専用フィットネスLBC

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