「強さと臆病さ」のパラドックス

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

筋力トレーニングを始めると、最初は「重いものを持ち上げたい!」という情熱が先行します。

しかし経験を積むにつれて、身体の細かなシグナルに気づくようになります。

スクワットでの膝の角度、デッドリフト時の背中のアライメント、ベンチプレスでの肩の位置等、これらの感覚を捉える力がトレーニングの質を高め、筋力やパフォーマンスを向上させます。

研究でも「キネステティック・アウェアネス」(身体感覚の鋭さ)がパフォーマンス向上に直結することが示されています(Schoenfeld, 2010)。

バーベルの揺れや筋肉の収縮を意識できるようになるとフォームが安定する事で怪我のリスクが減り、この「感覚の研ぎ澄まし」が肉体的な強さの基盤となるのです。

強くなるほど「臆病」になる理由

筋力トレーニングで身体が強くなるにつれて、面白い変化が訪れます。

自己ベストの重量を扱えるようになったトレーニーは小さな違和感に敏感になり、それにより肩の軽い張りや関節の微妙な音が、「怪我の前兆かもしれない」と警告を発します。

初心者なら無視していたサインも経験者には重大なシグナルとして響き、心理学では、この「リスク認知」の変化が説明されています。

経験豊富なアスリートは身体の限界や怪我の影響を深く理解しているため、リスクを回避する傾向が強まり(Weinberg & Gould, 2019)、例えばベテラントレーニーはベンチプレスで重い重量に挑む前に、セーフティーバーの高さを慎重に調整します。

この「臆病さ」は、無謀な挑戦を避け、長期的な成長を支える賢い慎重さです。

24時間ジムでの安全意識:ベンチプレスのリスク

トレーナー常駐ではない24時間ジムでは、ベンチプレスでの死傷事故も報告されています。

特に単独での高重量ベンチプレスは、バー落下による重大な事故のリスクを伴います。

米国スポーツ医学会(ACSM)のデータによるとウェイトリフティング中の事故の多くがベンチプレスに関連しており、適切な安全対策が欠かせません(ACSM, 2021)。

このような環境では感覚を研ぎ澄ますことが命を守る鍵となり、例えばベンチプレスにおいてセーフティーバーのセッティングはある意味最も重要な要素と言え、セーフティーバーが適切な高さに設定されていればバーベルが胸に落ちるリスクを無くす事が出来ます。

しかし24時間ジムではトレーナーの指導がない為に自分でこの設定を正確に行う「臆病さ」が求められます。

感覚を研ぎ澄まし、身体の限界や環境のリスクを意識する事で安全にトレーニングを続けられるのです。

肉体の強さだけではない:継続が育む真の強さ

筋力トレーニングを通じて得られるのは、見た目の筋肉や持ち上げる重量だけではありません。

「肉体の強さがその人の強さでは無い」という言葉が示すように、真の強さは継続し、自分に負けない姿勢に宿ります。

ジムに通い続ける事、疲れた日も軽い重量でフォームを磨く事、怪我を避けるために休息を選ぶ事etc・・・これらは一見地味ですが、自分との闘いに勝つための強い意志を育て、この継続の精神こそが強さの本質なのです。

研究でも筋力トレーニングの長期的な継続が肉体だけでなくメンタルヘルスや自己効力感を向上させることが示されています(O’Connor et al., 2010)。

臆病さは弱さではない:持続可能な強さの鍵

「臆病さ」をネガティブに捉える必要は無く、それは身体との対話を深めた証であり、持続可能なトレーニングの鍵です。

研究でも怪我予防のための適切なフォームや休息が、長期的な筋力向上に不可欠であることが裏付けられています(Lauersen et al., 2014)。

特にベンチプレスではセーフティーバーの設定や補助者の確保、適切なウォームアップが怪我を防ぎ、強さを維持する秘訣です。

プロのパワーリフターは最大重量に挑む前に何週間も計画的に準備し、彼らは「このままじゃ怪我するかも」と感じた瞬間、勇気を持って休息や調整を選びます。

この慎重さが24時間ジムのような環境でも安全にトレーニングを続けるための知恵であり、継続の強さを支えるのです。

筋力トレーニングから学ぶ人生の教訓

「感覚を研ぎ澄ませ 強くなる事は臆病になる事でもある」という言葉は筋力トレーニングだけでなく人生にも通じる教訓で、強くなる為には細部に気を配り、リスクを恐れる心も必要です。

さらに「肉体の強さがその人の強さでは無い」「継続し、自分に負けない強さが強さの本質なのだ」という視点は、ジムを超えた人生の指針となります。

ベンチプレスでのセーフティーバーの確認や、疲れた日もジムに向かう一歩は、自分自身を理解し、賢く成長するプロセスを教えてくれます。

バーベルを握るたびに私たちは強くなり、慎重になり、そして少しだけ「臆病」になります、そのバランスと継続こそが真の強さを育むのです。

まとめ:真の強さは

継続とバランスに宿る筋力トレーニングは肉体改造のツールを超え、感覚を研ぎ澄ます場です。

24時間ジムでのベンチプレスでは、セーフティーバーの設定が命を守る鍵となります。

そして肉体の強さ以上に、継続と自分に負けない姿勢が真の強さを育てます。

次にジムでバーベルを握る時、身体の声に耳を傾け、賢い「臆病さ」と継続の力を大切にしてください、その一歩があなたを本物の強さに近づけるのだと言う話です。

滋賀県大津市月輪1丁目3-8 アル・プラザ瀬田4F 女性専用フィットネスLBC

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