「胸椎の柔軟性」「体幹の安定」はヨガやピラティスでなくては身に付かない?

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。 

近年では女性を中心に「ピラティス」や「ヨガ」が非常に人気を集めています。

特に「胸椎の柔軟性」「肩甲骨の動き」「体幹の安定」「腹圧の形成」といったキーワードを強調するインストラクターの方も多く、「これらはピラティスでしか得られない」とおっしゃるケースも見られます。

しかし、本当にそうでしょうか?

結論から申し上げますと、真剣にウェイトトレーニング(ベンチプレス、デッドリフト、スクワット、チンニングなど)と向き合い、正しいフォームで取り組めばこれらの要素は自然と習得できます。

手段ではなく「目的」を優先すべきであり、「ヨガでなければならない」「ピラティスでなければならない」という固定観念は、トレーニングの本質から少しずれている可能性があります。

1. ウェイトトレーニングで自然に身につく「体幹の安定」と「腹圧の形成」

重いバーベルを扱う基本的なコンパウンド種目では、体幹の安定が不可欠です。

  • デッドリフトやスクワットでは、腹圧を高めて脊柱を固めなければ、腰を痛めるリスクが急増します。
  • ベンチプレスでは、肩甲骨をしっかり寄せて下げ、胸椎を適度に伸展させるブリッジポジションを取らないと、肩関節に過度な負担がかかり、重量を扱えません。
  • **チンニング(懸垂)**でも、肩甲骨のコントロールが不十分だと背中への刺激が散漫になり、効果が半減します。

これらはすべて、正しいフォームを追求する過程で「体幹の安定」「腹圧の形成」「肩甲骨の動き」が強化される典型例です。

自己流で雑に行えば怪我のリスクが高まるのは事実ですが、それはどのトレーニングでも共通の原則です。

研究でも、レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)は体幹の安定性や姿勢制御を有意に向上させることが示されています(例: Effects of core strength training on core stability)。

一方、ピラティスやヨガもこれらの要素を丁寧に鍛えられる優れた手段ですが、「独占」されているわけではありません。

2. 筋肉は「人体最大のホルモン分泌器官」——「筋肉をつけたくない」は本質的に矛盾している

近年では筋肉は単なる「動かすための組織」ではなく、最大の内分泌器官として認識されています。

筋収縮によって分泌されるマイオカイン(筋ホルモン)は、血糖値の安定、脂肪分解促進、炎症抑制、がんリスク低下、脳機能向上など、全身の健康に深く関与します(例: Muscle as an endocrine organ: focus on muscle-derived interleukin-6 (Pedersen et al., 2008) および Muscles, exercise and obesity: skeletal muscle as a secretory organ (Pedersen et al., 2012))。

骨もまたオステオカルシンというホルモンを分泌し、糖代謝の改善や筋肉との相互作用を通じてアンチエイジングに寄与します。

これらの分泌は、負荷をかけた運動(特にレジスタンストレーニング)でこそ最大化されます(例: Osteocalcin Signaling in Myofibers Is Necessary and Sufficient for Optimum Adaptation to Exercise (Mera et al., 2016))。

「運動はしたいけど筋肉はつけたくない」という発想は、ホルモン分泌の最大の恩恵を自ら手放すことに等しいのです。

女性の場合、テストステロンが少ないため極端にムキムキになる心配は少ないですが、適度な筋量を維持・増加させる方が、代謝アップや若々しさの維持に圧倒的に有利です。

3. 老後に最も大切なのは「筋力と体力」——その土台は筋肉量です

加齢に伴う筋肉量・筋力の低下をサルコペニアと呼びます。

サルコペニアが進むと転倒リスクの急増、日常動作の困難、基礎代謝の低下、慢性疾患の増加、そして健康寿命の短縮につながります。

複数の大規模研究で、筋肉量や筋力が豊富な高齢者は全原因死亡リスクが有意に低いことが示されています。

特に女性の高齢者では、筋肉量がBMIよりも生存予測に優れる指標であるという報告もあります(例: Muscle Mass Index as a Predictor of Longevity in Older Adults (Srikanthan et al., 2014))。

老後を「自分で歩き、食べ、トイレに行き、家族と笑って過ごせる」状態で迎えたいなら、今から筋肉を「貯金」しておくことが最も現実的な投資です。

ピラティスやヨガで土台を作るのは素晴らしい選択ですが、最終的に負荷をかけた筋トレを組み合わせる事でより強固な基盤が築けます。

まとめ:目的を明確に、手段を柔軟に選ぶのが最適

「胸椎の柔軟性」「体幹の安定」などのスキルは、ヨガやピラティスでなくても、ウェイトトレーニングに真摯に向き合えば十分に獲得可能です。

一方で運動初心者の方や姿勢改善・痛み軽減を最優先したい方には、ピラティスやヨガが非常に入りやすい選択肢であることも事実です。

日本では特に女性の間で「筋トレ=怖い」というイメージが根強く、ピラティスの「しなやかで引き締まる」イメージが支持を集めていますが、本質は目的優先です。

あなたの目標が「健康的に年を重ね、自立した生活を送る」ことなら、筋肉量を適度に維持・増加させるアプローチをおすすめします。

手段はあくまでツール、科学的事実に基づき、自分に合った方法を選んでいただければ幸いです。

自身のトレーニング目的は何でしょうか?一緒に最適な道を探していきましょうと言う話です。

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