エビデンスの理解の先に、本当の個別最適解がある

筋力トレーニングの「型」と「型破り」~エビデンスの理解の先に、本当の個別最適解がある~

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

筋力トレーニングを長く続け、本当に強い身体を作りたい時に誰もがぶつかる壁があり、それは「みんなに効く方法」と「自分に本当に効く方法」のギャップです。

科学的なエビデンスは非常に重要ですが、突出した結果を求めるならばエビデンスの「内側」を極めた上で「外側」に踏み出す勇気も必要になります。

今回はトレーニングの基本原則と「個別性の原則」を軸に、伝統芸能の名言と映画の名セリフを交えながら、「型」と「型破り」の本質を考えてみます。

1. 最も大切なのは「けがをしないこと」

American College of Sports Medicine(ACSM)NSCA(米国国家ストレングス&コンディショニング協会) のガイドラインが一貫して強調しているように、怪我の予防がすべてのトレーニングの最優先事項です。

漸進性過負荷、特異性、可逆性、そして個別性の原則――これらを無視したトレーニングは、結果が出る前に身体を壊すリスクが極めて高いです。

怪我を繰り返すと筋肥大や筋力向上の機会が失われるだけでなく、長期的なトレーニング継続そのものが困難になります。

だからこそまずは「正しいやり方」を徹底的に学び、自分の身体に合ったフォームと負荷管理を身につけることが不可欠です。

2. 「個別性の原則」が示す、例外の多さ

トレーニングの原則の中でも特に重要なのが個別性の原則です。

同じトレーニングメニューを同じ強度で実行しても、人によって筋力向上や筋肥大の度合いは大きく異なります。

これは遺伝的要因、年齢、性別、トレーニング歴、睡眠、ストレス、栄養状態、ホルモンバランスなどが複雑に影響し合うためです。

代表的な研究として、Hubal et al. (2005)では同じレジスタンストレーニングを行った被験者間で、筋断面積の増加量が最大で約10倍の差が出ることが示されました。→ Variability in muscle size and strength gain after unilateral resistance training

またBacon et al. (2019)のメタアナリシスでは、個別化されたプログラムが標準プログラムよりも平均20〜30%高い効果を発揮するという結果も報告されています。→ Individualized Exercise Prescription in Cancer Rehabilitation(※筋トレ応用に関する個別化効果のメタ分析として参考)

特に女性の場合、月経周期によるホルモン変動(エストロゲン・プロゲステロンの影響)が筋回復力やパフォーマンスに明確な差を生みます。→ The Menstrual Cycle and Exercise Performance

卵胞期は筋力が出やすく、黄体期は疲労が蓄積しやすい傾向がある為に負荷量やトレーニングボリュームを周期に合わせて調整する「個別性」が非常に重要です。

3. 「型があるから型破り、型が無ければ形無し」

これは十八代目中村勘三郎の言葉です。

歌舞伎の世界では、まず徹底的に「型」を身につけます。

その型を極めた上で初めて、個人の感性や表現で「型破り」が可能になり、型を知らないまま独自の動きをしても、それはただの「形無し」になってしまいます。

筋力トレーニングに置き換えると、非常に納得のいく教えです。

  • 型がある
    → エビデンス・科学的な原則を正しく理解し、実践できる状態
  • 型破り
    → その土台の上で、自分の体質・生活・目標に合わせて大胆にアレンジする
  • 形無し
    → エビデンスも原則も知らずに「俺流」を始めてしまう状態

4. 映画『カジノ』の名言が示す「第三のやり方」

ロバート・デ・ニーロ演じるサム・“エース”・ロススティーンは、
映画『カジノ』の中で次のように語ります。

「やり方には3つある。正しいやり方と、間違ったやり方と、俺のやり方だ。」

この言葉もまた、「型と型破り」と同じ構造を持っています。

  • 正しいやり方 → 教科書通り、エビデンスに基づいた標準的な方法
  • 間違ったやり方 → 根拠のない自己流、流行りものへの盲信
  • 俺のやり方 → 正しいやり方を誰よりも深く理解した上で、自分の状況に最適化した独自の方法

エースが「俺のやり方」を主張できるのは、カジノビジネスの仕組みを誰よりも熟知していたからに他なりません。

筋トレでも同様に、エビデンスを深く噛み砕いた人だけが安全かつ効果的に「俺のやり方」を構築できるのです。

5. 実際の「型破り トレーニング」事例

エビデンスの枠を超えた「型破り」なアプローチも、実は科学的な裏付けを持つものが増えています。

いくつかの具体例を紹介します。

  • リバースノルディックカール
    従来のハムストリング種目を逆転させた動きで、可動域を最大限に活用。
    筋肥大と柔軟性を同時に高める効果が研究で確認されています。
    Nordic Hamstring Exercise Variations
  • 視覚を遮断したバランストレーニング
    目を閉じて細い板の上を歩く、山本由伸投手が取り入れている方法。
    体性感覚(固有受容感覚)を鍛え、神経筋制御を劇的に向上させるアプローチです。
    Proprioceptive Training and Athletic Performance
  • HIITとヨガのハイブリッド
    高強度インターバルトレーニングとヨガを組み合わせることで、
    筋力・心肺機能・ストレス軽減を同時に実現。
    特に女性のホルモンバランスやメンタルヘルスに有効なケースが多く報告されています。
    High-Intensity Interval Training and Yoga

これらの型破りメソッドは、いずれも「エビデンスの内側」を深く理解した上で、個人の特徴に合わせて進化させたものです。

無根拠に真似すると「形無し」になりやすいため、必ずデータ追跡(ウェアラブルデバイスやトレーニングログ)と専門家のチェックを推奨します。

まとめ:エビデンスの「外側」に行くために必要なこと

本当に優れた結果を求めるなら、答えはしばしば「エビデンスの外側」にあるかもしれません。

しかしその外側に辿り着くためには、まずエビデンスの内側を徹底的に知り、極める必要があります。

  • 基礎を疎かにした「俺流」は、ほぼ確実に「間違ったやり方」になります
  • 型を極めた上での「型破り」こそが、真の個別最適解を生み出します

今、あなたはどの段階にいますか?

「正しいやり方」をしっかり身につけた上で、自分の身体と目標に合わせた「俺のやり方」を追求する。

それこそが怪我をせず、長く強く成長し続けるための最短ルートではないかな?と言う話です。

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