ファンクショナルトレーニングとウェイトトレーニング:実用的な体づくりで知っておきたい科学的アプローチ

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

職業柄、日々さまざまなトレーニングの相談を受けていますが、その中でも「見せかけだけの筋肉ではなく、実用的な体になりたい」というご要望を時々耳にします。

この気持ちはとてもよく理解できます。

日常動作をスムーズにこなしたり、スポーツのパフォーマンスを向上させたりする「機能的な強さ」を求めるのは自然なことです。

しかしトレーニングの世界では「ファンクショナルトレーニング」と「従来のウェイトトレーニング」のどちらが優れているか、という議論がしばしば見られます。

本記事ではこれらの概念を科学的なエビデンスに基づいて解説し、状況に応じた効果的な使い分け方をお伝えします、最後までお読みいただければあなたのトレーニング計画に役立つヒントが得られるはずです。

ファンクショナルトレーニングの基本概念

ファンクショナルトレーニングとは「機能的」な動作の改善や向上を目的としたトレーニングで、一般の方であれば階段の上り下りや荷物の持ち運びなどの日常動作を、アスリートであれば競技特有の動きを強化する点が特徴で、明確な定義は存在しませんが、多関節を活用した動作(例: スクワットに似せたボックスジャンプやケトルベルスイング)が中心となります。

このトレーニングは、単なる筋力向上ではなく、「動き全体の質」を高める点で魅力があります。

例えば、OKC(オープンキネマティックチェーン、例: レッグプレス)とCKC(クローズドキネマティックチェーン、例: シングルレッグスクワット)の違いを理解する事でより実践的なプログラムを組めます。

従来のウェイトトレーニングとの違い

一方で従来のウェイトトレーニング(ボディビル的なアプローチ)は、特定の筋肉群に対して「正確なフォームで負荷をかける」事を重視し、これは筋肥大や最大筋力を効率的に高める方法です。

極端に言えば、アイソレートエクササイズ(例: バイセップカール)で「不合理なストレス」を与える事で筋肉の成長を促します。

これに対しファンクショナルトレーニングはコンパウンドエクササイズ(例: デッドリフトやバーベルスクワット)を基調とし、インナーマッスル(深層筋)とアウターマッスル(表層筋)の連動を重視、どちらも有効ですが目的が異なります。

ファンクショナルは「動作の機能性」、ウェイトは「筋肉そのものの機能性」を優先するのです。

「使えない筋肉」という誤解を解く

トレーニングの現場でよく聞く「ボディビルで作った筋肉は使えない」という表現ですが、これは大きな誤解です。

筋肉はそれ自体が人体最大のホルモン分泌器官として機能しており、マイオカイン(筋肉由来のシグナル分子)を放出します。

これにより代謝改善、炎症抑制、骨密度向上などの全身的な健康効果が期待されます。

実際にウェイトトレーニングで肥大した筋肉も、基礎代謝の向上や精神的なウェルビーイングに寄与します。

「使えない筋肉」など存在せず、むしろこのような表現は発言者の配慮不足を露呈するだけです。

科学的にも筋肉のエンデクチン機能(内分泌機能)はどんなトレーニングでも活性化され、健康寿命の延伸に役立ちます。

だからこそ、見た目重視のトレーニングを「実用的でない」と一刀両断するのは早計なのです。

状況に応じた使い分けの重要性:ピリオダイゼーショントレーニング

ではどちらを選べばよいのでしょうか? 答えは「状況次第」です。

トレーニングを「良い・悪い」で分類するのではなく、特性を活かした使い分けが鍵となります。

これを「ピリオダイゼーショントレーニング」と呼び、基礎期(筋力ベース作り)、強化期(機能向上)、維持期(回復)といったフェーズでプログラムを組み替えます。

例えば基礎体力がない状態でファンクショナルトレーニングから始めると、ケガのリスクが高まります。

まずはウェイトトレーニングでベースを作り、その後ファンクショナルで実用性を磨くのが理想です。

NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)のガイドラインでもピリオダイゼーションはオーバートレーニングを防ぎ、パフォーマンスを最大化するとされています。

  • 初心者向け: ウェイト中心で筋力基礎を固める(例: スクワット3セット10回)。
  • 中級者向け: ファンクショナルを加え、動作の質を向上(例: メディシンボールスラム)。
  • アスリート向け: ピリオダイゼーションで競技期に特化。

このアプローチにより、持続可能な「実用的な体」が実現します。

科学的エビデンスから見る両者の効果

最近の研究では、ファンクショナルトレーニングと従来のウェイトトレーニングの効果が意外に拮抗していることが明らかになっています。

例えば2022年のメタアナリシスでは、両者が筋持久力やパフォーマンス向上に同等の効果を示しました。

また、2023年の研究では、無酸素パワー向上率がファンクショナルで5.5%、ウェイトで5.1%と、ほぼ同等でした。

一方でパワートレーニング(ファンクショナル寄り)は、身体機能の改善にわずかな優位性が見られますが、全体としてハイブリッドアプローチが推奨されます。

ピリオダイゼーションの利点もNSCAのレビューで裏付けられており、トレーニングのバリエーションが疲労管理と適応向上を促します。

これらのエビデンスから、どちらかを選ぶのではなく、組み合わせるのが科学的です。

まとめ:あなたの実用的な体づくりをサポートします

ファンクショナルトレーニングは魅力的な概念ですが、万能ではありません。

基礎を固め、状況に応じてウェイトと組み合わせ、ピリオダイゼーションで進めるのが最も効果的です。

筋肉は決して「使えない」ものではなく、私たちの健康を支える貴重な器官です。

もしこの記事が参考になりましたら、ぜひあなたのトレーニング計画に取り入れてみてくださいねと言う話です。

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