使える筋肉、使えない筋肉と言う幻想

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
「筋トレで鍛えた筋肉は使えない」「ボディービルダーはのろま」といった批判や、「広背筋は肩甲骨の動きに関与しないから寄せる必要はない」といった議論を耳にしたことはありませんか?
これらの意見は、筋力トレーニング(筋トレ)の目的やアプローチを誤解したものです。
筋トレの本質は「身体を強く、機能的にする」ことですが、目的やキャリア(初心者、上級者、アスリート)によってやり方や発想は変わります。
本記事では、大谷翔平選手を例に、機能的なトレーニングと怪我予防の重要性を解説し、目的に応じたアプローチの違いを明らかにします。
筋トレの本質:身体を強く、機能的にする
筋トレの目的は筋肥大、機能的な動きの向上、怪我予防など多岐にわたります。
しかし、その本質は「身体のパフォーマンスを高め、日常生活やスポーツでより良い結果を生み出す」ことにあります。
この本質は、初心者からプロアスリートまで共通ですが、以下のように目的やキャリアによってアプローチが異なります。
- 初心者:正しいフォームと動作パターンの習得を優先し、筋力バランスや姿勢改善を目指します。
- ボディービルダー:筋肥大を最大化するため、アイソレーション種目で特定の筋肉を重点的に鍛えます。
- アスリート(例:大谷翔平):筋力をスポーツの動作や怪我予防に活かすため、全身の連動性やパワー発揮を重視します。
広背筋と肩甲骨の関係:機能的なトレーニングの鍵広背筋(latissimus dorsi)は、肩関節の伸展、内転、内旋を主に担当しますが、肩甲骨の内転や下制にも補助的に関与します(Neumann, 2017)。
このため、背中のトレーニング(例:ラットプルダウン、チンニング)で肩甲骨を意識的に動かす事は以下のようなメリットをもたらします。
- 筋活動の最適化:肩甲骨の内転・下制により、広背筋だけでなく僧帽筋や菱形筋も刺激され、背中の筋肉をバランスよく鍛えられます(Escamilla et al., 2009)。
- 姿勢改善:猫背やなで肩を改善し、見た目と機能性を両立します。
- 全身の連動性:骨盤、脊椎、肩甲骨を連動させることで、運動連鎖(kinetic chain)が強化され、消費カロリーも増加します(Kibler et al., 2006)。
- 怪我予防:肩甲骨の安定性が高まることで、肩や肘への負担が軽減されます。
一方、「肩甲骨を寄せない」アプローチは筋肥大を追求する上級者や、特定の動作(例:ワンハンドロー)を孤立させたい場合に有効です。
しかし初心者がこれを主張するのは、技術不足を隠す言い訳になる可能性があります。
「使えない筋肉」の誤解:目的に応じたトレーニングの違い
「使えない筋肉」「のろまのボディービルダー」といった批判は、筋トレをアイソレーション種目に偏らせた場合に生じがちです。
たとえば広背筋だけを鍛えるトレーニングは、見た目の筋肉量は増やせても、スポーツや日常生活での機能性が不足する場合があります(Haff & Triplett, 2016)。
しかしこれは筋トレ自体の問題ではなく、目的に応じたアプローチの違いです。
- 筋肥大重視(ボディービルダー):アイソレーション種目(例:ダンベルカール)で特定の筋肉を徹底的に鍛え、見た目の美しさを追求します。
- 機能性重視(一般トレーニー、アスリート):コンパウンド種目(例:デッドリフト、プルアップ)や全身の連動を意識し、動作の効率性やパフォーマンスを高めます。
筋トレの本質は同じでも、目的によってやり方が変わるのです。
大谷翔平に学ぶ:不合理な筋トレを合理的に活かす
MLBのスーパースター、大谷翔平選手は「不合理に鍛えた筋肉」を合理的にスポーツに活かす近代アスリートの代表例です。
彼のトレーニングは、筋肥大だけでなく、機能的な動きや怪我予防を重視しています(ESPN, 2023)。
その特徴は以下の通りです。
- 全身の連動性:骨盤、脊椎、肩甲骨を連動させたトレーニングで、ピッチングやバッティングの運動連鎖を強化します。
- パワーとスピードの融合:筋力を瞬発力に変換するプライオメトリクスや高速動作を取り入れ、驚異的なスイングスピードや投球速度を実現しています。
- 怪我予防:肩甲骨や体幹の筋肉を強化し、投球時の関節負担を軽減。ストレッチやモビリティエクササイズで回復も重視しています(Wilk et al., 2011)。
大谷選手のトレーニングは、筋トレの本質(身体を強くする)を活かしつつ、スポーツパフォーマンスに特化した発想を取り入れています。
目的に応じたトレーニングの実践ポイント
筋トレのやり方や発想は、目的やキャリアによって変わります。
以下は、それぞれの目標に応じた実践のポイントです。
- 初心者:肩甲骨の内転・下制を意識したラットプルダウンやチンニングで、正しいフォームと動作パターンを習得。軽い重量から始め、筋力バランスを整えましょう。
- ボディービルダー:筋肥大を最大化するため、アイソレーション種目で広背筋や他の筋肉を重点的に鍛える。ただし、姿勢や関節の健康を保つために、機能的な動きも取り入れましょう。
- アスリート:コンパウンド種目やプライオメトリクスで全身の連動性とパワーを強化。怪我予防のために、ストレッチや体幹トレーニングを習慣化しましょう。
- 一般トレーニー:姿勢改善や日常生活のパフォーマンス向上を目指し、骨盤・脊椎・肩甲骨の連動を意識したトレーニングを優先。楽しさと効果を両立させましょう。
結論:筋トレの本質を活かし、目的に合わせた発想を
筋トレの本質は身体を強く、機能的にすることです。
しかし初心者、ボディービルダー、アスリートなど、目的やキャリアによってやり方や発想は変わります。
大谷翔平選手のように、筋トレを合理的にスポーツや怪我予防に活かす事で「使える筋肉」を作り上げることができます。
肩甲骨を意識した機能的なトレーニングを取り入れ、骨盤から脊椎までを連動させる事で見た目だけでなく動ける身体を目指しましょう。
あなたはどんな目標で筋トレをしていますか? 目的に応じたアプローチで、筋トレの可能性を最大限に引き出してください!
本質さえ理解すれば、「みんな違ってみんな良い」と言う話です。
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