手段と目的

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
筋肥大を目指すなら高重量トレーニングが基本とされていますが、関節のケガなどで高重量が難しい場合、低負荷高回数のトレーニングでも筋肉を成長させる事は可能なのです。
神経生理学の「サイズの原理」を基に、なぜ低負荷高回数で筋肥大が可能なのか、さらに高重量と低負荷のトレーニングではどちらが優れているという問題ではなく、どちらも目的達成の手段である事」を説明する文は以下の通りで、この記事を読めば筋力トレーニングの選択肢が広がり、あなたの目標に合った方法が見つかるかもしれません。
サイズの原理とは?筋肉の動員メカニズムを理解しよう
**サイズの原理(Size Principle)**は、筋肉がどのように動員されるかを説明する神経生理学の基本概念です。
具体的には、運動単位(運動神経とそれが支配する筋線維の集まり)が以下の順番で動員されます:
- 小さな運動単位(低閾値):持久力に優れた**遅筋線維(Type I)**が主で、低負荷の運動で最初に動員されます。
- 大きな運動単位(高閾値):瞬発力に優れた**速筋線維(Type II)**が主で、高負荷や疲労時に動員されます。
この原理を理解すると、なぜ低負荷でも筋肥大が起こるのかが理解できます。
では、筋肥大の基本とされる高重量トレーニングから見ていきましょう。
筋肥大の原則
高重量トレーニングの効果筋肥大を目指すなら、高重量トレーニング(最大筋力の70-85%で6-12回程度)が基本です。
なぜなら高重量のコンパウンド種目(スクワット、デッドリフト、ベンチプレスなど)は、複数の筋群を同時に刺激し、速筋線維を効率的に動員するからです。
サイズの原理に基づき、高重量では最初から高閾値の運動単位が働き、筋に強い**機械的緊張(メカニカルストレス)**を与えます。
これが筋肥大の主要な要因とされています(Schoenfeld et al., 2017)。
しかし関節の故障や器具の制限などで高重量トレーニングができない場合、どうすればいいのでしょうか?
そこで注目されるのが低負荷高回数トレーニングです。
低負荷高回数でも筋肥大が可能な理由
低負荷高回数トレーニング(最大筋力の30-60%で15-30回以上)でも筋肥大が可能な理由を、サイズの原理と科学的エビデンスに基づいて解説します。
1. 累積的な筋線維の動員
低負荷でも高回数を行う事で最初に動員される遅筋線維が疲労し、運動を継続するために速筋線維が動員されます。
サイズの原理によりセット終盤で筋疲労がピークに達すると、高閾値の運動単位が活性化され、これにより筋肥大に重要な速筋線維がしっかり刺激されます(Mitchell et al., 2012)。
2. 代謝ストレスの効果
低負荷高回数トレーニングは筋肉に長時間の緊張(Time Under Tension)を与え、乳酸などの代謝産物の蓄積を促します。
この代謝ストレスは筋肥大を促進するシグナル(例:mTOR経路の活性化)を誘発、遅筋線維だけでなく速筋線維の成長にも貢献します(Schoenfeld, 2013)。
3. 血流制限による追加刺激
高回数のトレーニングは筋肉内の血流を一時的に制限し、酸素不足や代謝産物の蓄積を増強します。
この状態は筋肥大を後押しする追加の刺激となり、特に速筋線維の成長を促します(Loenneke et al., 2012)。
具体例:低負荷高回数の実践
例えば、20kgのダンベル(1RMの40%程度)で30回のダンベルカールを行う場合
- 初期は遅筋線維が主に活躍。
- 回数を重ねるごとに遅筋線維が疲労し、サイズの原理で速筋線維が動員。
- セット終盤の「パンプ」感は、代謝ストレスと速筋線維の活性化の証です。
このように低負荷高回数でも筋肥大を促すメカニズムが働きます。
高重量と低負荷:どちらも目的では無く手段に過ぎない
重要なのは高重量トレーニングも低負荷高回数トレーニングも、筋肥大という目的を達成するための手段だということです。
どちらが「正しい」か「正しくない」かという問題では決して無く、それぞれの特徴を以下にまとめます
- 高重量トレーニング:速筋線維を効率的に刺激し短時間で強い機械的負荷を与える、時間効率が良く、コンパウンド種目で全身を鍛えやすい。
- 低負荷高回数トレーニング:代謝ストレスを活用し関節への負担が少ない、ケガのリスクを抑えたい場合や器具が限られている場合に有効。
どちらを選ぶかはあなたの目標や身体の状態、トレーニング環境によります。
関節に不安がある方や初心者の方は低負荷高回数から始めるのも賢い選択です。
効果を最大化するためのポイント
低負荷高回数トレーニングで筋肥大を成功させるには、以下のポイントを押さえましょう
- 限界まで追い込む:筋疲労(Failure)に近い状態まで行うことで、速筋線維の動員を最大化します。
- 栄養と休息を確保:筋肥大には十分なタンパク質(体重1kgあたり1.6-2.2gが目安)と睡眠が不可欠です。
- 一貫性を保つ:高重量でも低負荷でも、継続が結果を生みます。
まとめ:自分に合った筋トレで理想の身体を目指そう
サイズの原理に基づけば高重量トレーニングは速筋線維を効率的に刺激し、筋肥大に効果的です。
一方で関節のケガや環境の制約で高重量が難しい場合、低負荷高回数トレーニングは代謝ストレスと累積的筋線維動員を通じて筋肥大を実現します。
どちらも筋肥大のための手段であり状況に応じて使い分けるのが賢明です。
大切なのは自分の体と目標に合った方法を選び、それを継続する事です。
押して駄目なら引いてみると言う話です。
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