筋トレで成果を最大化!単一種目 vs. 多様性トレーニング:NSCAの研究から学ぶ効果的な方法

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

筋力トレーニングを始めたばかりの方やさらなる成果を目指す中級者にとって、「どの種目をどれくらい行うべきか」は大きな悩みですよね。

約20年前のNSCA(National Strength and Conditioning Association)の研究で、「ベンチプレス、スクワット、チンニングといった単一の種目に絞ったトレーニング」と「複数の種目を取り入れた多様なトレーニング」を比較した興味深い実験が発表されました。

この研究では、多様なトレーニングを行ったグループが競技能力や筋力向上において優れた結果を示したとされています。

本記事ではこの研究を基に、初心者にも分かりやすく、科学的エビデンスに沿って「単一種目と多様性トレーニングの違い」を解説します。

NSCAの研究:単一種目 vs. 多様性トレーニングとは?

NSCAは、筋力トレーニングやコンディショニングの科学的根拠を提供する世界的な組織です。

2000年代初頭、NSCAの研究では、以下のような実験が行われました:

  • 単一種目グループ:胸はベンチプレスのみ、脚はスクワットのみ、背中はチンニング(懸垂)のみといった、特定の種目に絞ったトレーニング。
  • 多様性トレーニンググループ:ベンチプレスに加えてインクラインプレスやダンベルフライ、スクワットに加えてレッグプレスやルーマニアンデッドリフトなど、複数の種目を取り入れたトレーニング。

結果として、多様性トレーニングを行ったグループの方が最大筋力(1RM:1回で持ち上げられる最大重量)や競技パフォーマンス(例:パワーリフティングやスポーツでの実力)の向上が顕著でした。

この研究は、筋トレの「特異性(specificity)」と「多様性(variety)」のバランスを考える上で重要な示唆を与えてくれます。

代表的な研究例以下は、今回のテーマに関連する主な研究の概要です。

これらはNSCAのジャーナルやPubMedで公開されており、科学的信頼性が高いものです。

  1. Rhea et al. (2004)
    • 内容:期間化トレーニング(種目や負荷を周期的に変える方法)と非期間化トレーニング(固定種目)を比較したメタアナリシス。
    • 結果:ベンチプレスやスクワットに多様な種目を加えたグループは、最大筋力が平均で約17-29%向上。単一種目グループは最大でも32%で、長期的に停滞しやすかった。
    • 意義:多様性が筋力向上の「停滞(プラトー)」を防ぎ、総合的なパフォーマンスを高める。
  2. Stone et al. (2000)
    • 内容:スクワットのみのグループと、スクワットにレッグプレスやルーマニアンデッドリフトを加えたグループを比較。
    • 結果:多様性グループはスクワットの1RMが48%向上(単一種目は32%)。上肢(胸や背中)でも同様の傾向。
    • 意義:脚のトレーニングで多様性が筋力向上に大きく寄与。
  3. Rhea et al. (2002)
    • 内容:ベンチプレスやレッグプレスで、固定負荷 vs. 変動負荷(多様性)を比較。
    • 結果:変動負荷グループが筋力向上で優位。
    • 意義:多様な負荷や種目が筋肉の適応を促進。

これらの研究は単一種目では初期の筋力向上が期待できるものの、多様性を取り入れることで筋肉や神経系の適応がバランスよく進み、長期的な成果が得られることを示しています。

なぜ多様性トレーニングが効果的なのか?

筋トレ初心者にとって、「なぜ多種目の方が良いの?」という疑問は自然ですよね。

ここでは科学的根拠に基づき、わかりやすくその理由を解説します。

1. 筋肉の停滞(プラトー)を防ぐ

単一の種目(例:ベンチプレスのみ)を繰り返すと、最初の数週間は筋力や筋量が増えます。

これは「神経適応」(筋肉と脳の連携が強化されること)が主な理由です。

しかし、4~8週間後には**プラトー(停滞期)**に突入し、成果が伸び悩むことが多いです。これは、同じ刺激に筋肉が慣れてしまうためです。


一方、多様性トレーニングでは例えば胸のトレーニングにベンチプレスだけでなく、インクラインプレスやダンベルフライを加えることで、異なる筋繊維や角度で刺激が入ります。

これにより筋肉が新たな適応を続け、停滞を防ぎます。

2. 筋肉のバランスを整える

単一種目では特定の筋肉や動作パターンだけが強化され、偏りが生じることがあります。

たとえばベンチプレスだけでは胸の上部や補助筋(三角筋や上腕三頭筋)が十分に鍛えられない可能性があります。

多様性トレーニングなら胸の上部・下部、補助筋をバランスよく強化でき、ケガの予防や姿勢の改善にも繋がります。

実際にNSCAのガイドラインでは、主要種目(ベンチプレス、スクワット、チンニング)に補助種目を組み合わせることが推奨されています。

3. 競技パフォーマンスの向上

スポーツやパワーリフティングでは単純な筋力だけでなく、動作の多様性や実用的な強さが求められます。

多種目トレーニングは異なる動作パターンや負荷に対応する能力を高め、競技での実力を底上げします。

たとえばサッカー選手がスクワットだけでなく、レッグプレスやステップアップを取り入れる事で爆発力や安定性が向上します。

4. モチベーションの維持

単一種目を繰り返すのは、初心者にとって単調でモチベーションが下がりがちです。

多種目を取り入れる事でトレーニングのマンネリを防ぎ、継続しやすくなるのも大きなメリットです。

初心者におすすめ!多様性トレーニングの始め方

「多様性が大事」とわかっても、具体的にどう始めればいいか迷いますよね。

以下に初心者でも実践しやすい多様性トレーニングのポイントを紹介します。

1. 基本種目を軸に

NSCAの研究でもベンチプレス(胸)、スクワット(脚)、チンニング(背中)は筋力向上の基盤となる種目です。

これらをプログラムの中心に据えましょう。

  • 胸:ベンチプレス(バーベルorダンベル)
  • 脚:スクワット(バーベルorボディウェイト)
  • 背中:チンニング(懸垂)またはラットプルダウン

2. 補助種目を加える各部位に

1~2種目の補助種目を加えると、多様性がアップします。

例:

  • 胸:インクラインプレス、ダンベルフライ、チェストプレス
  • 脚:レッグプレス、ルーマニアンデッドリフト、ランジ
  • 背中:ベントオーバーロウ、ダンベルロウ

3. 週ごとの変化を取り入れる

同じ種目を固定するのではなく、週ごとに種目や負荷を変える「ピリオダイゼーション」を試してみましょう。

たとえば:

  • 1週目:ベンチプレス(重い重量、5回×3セット)
  • 2週目:インクラインプレス(中重量、8回×4セット)
  • 3週目:ダンベルフライ(軽重量、12回×3セット)

4. 無理なく始める

初心者は週2~3回のトレーニングからスタートし、1部位につき2~3種目を目安に、1回60分以内で十分です。

フォームを正しく保つことを優先し、徐々に重量を増やしましょう。

注意点:特異性の重要性も忘れずに

多様性が効果的とはいえ、特定の目標(例:ベンチプレスで100kg挙げる)がある場合では特異性トレーニングも重要です。

たとえばパワーリフティングでは、競技種目(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)に特化した練習が必須です。

NSCAの研究では特異性重視で初期の筋力アップを、中上級者は多様性を加えて停滞を防ぐのが理想的とされています。

自分の目標に応じて、両者をバランスよく取り入れましょう。

まとめ:多様性で筋トレを次のレベルへ

NSCAの研究からベンチプレス、スクワット、チンニングといった単一種目に絞るよりも、多様な種目を取り入れたトレーニングが筋力や競技パフォーマンスの向上に効果的だとわかりました。

筋肉の停滞を防ぎ、バランスの良い強化、モチベーションの維持に役立つ多様性トレーニングは、初心者から上級者までおすすめです。

実践のポイント

  • ベンチプレス、スクワット、チンニングを基盤に。
  • 補助種目(インクラインプレス、レッグプレス、ロウなど)を加えて多様性を。
  • 週ごとに種目や負荷を変えるピリオダイゼーションを試す。
  • 初心者は正しいフォームと無理のないペースを重視。

これから筋トレを始める方や、停滞期に悩む方は、ぜひ多様性トレーニングを試してみてください!

筋力トレーニングも大切なのはダイバーシティーだと言う話です。

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