背中のトレーニングで肩甲骨を意識すべき理由|広背筋と姿勢改善の関係を解説

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
ラットプルダウンやシーテッドローイングなどの背中のトレーニングにおいて「広背筋は肩甲骨の動きに関与しないため、フィニッシュで肩甲骨を寄せる必要はない」という意見を耳にすることがあります。
この主張には一理ありますが、解剖学的視点や実際のトレーニング効果を考慮すると肩甲骨を意識的に動かすことには多くのメリットがあります。
本記事では広背筋と肩甲骨の関係、肩甲骨を動かすトレーニングの利点、そして初心者と上級者の違いについてエビデンスを交えて詳しく解説します。
広背筋と肩甲骨の関係:解剖学的に正しい理解
広背筋(latissimus dorsi)は主に肩関節の伸展、内転、内旋を担当する大きな筋肉です。
しかし広背筋は肩甲骨の下角に付着しており、肩甲骨の内転(寄せる動き)や下制(下げる動き)にも補助的に関与します(Neumann, 2017)。
このため「広背筋は肩甲骨の動きに関与しない」という主張は、厳密には正確ではありません。
さらに肩甲骨の動きを意識することで広背筋だけでなく、僧帽筋(中部・下部)や菱形筋など、背中の他の筋群も効果的に刺激できます。
これにより筋力バランスの向上やトレーニングの効率化が期待できます。
肩甲骨を意識するメリット:なぜ重要なのか?
背中のトレーニングで肩甲骨を動かす(特にフィニッシュで寄せる)ことは、以下のような具体的なメリットをもたらします。
1. 筋活動の最適化
ラットプルダウン、チンニング、シーテッドローイングなどのコンパウンド種目では、肩甲骨の内転・下制を意識する事で広背筋だけでなく周辺の筋肉も協働します。
これにより、背中の筋肉全体をバランスよく鍛えることが可能です(Escamilla et al., 2009)。
2. 姿勢の改善
猫背やなで肩は、肩甲骨が外転(開いた状態)や挙上(上がった状態)になることで悪化します。
肩甲骨を内転・下制させるトレーニングを習慣化する事でこれらの姿勢不良を改善し、見た目にも美しい背中を作り上げることができます。
3. 消費カロリーの増加
骨盤から脊柱、肩甲骨までを連動させるダイナミックな動作は全身の筋肉を協調させ、消費カロリーを高めます。
これは、ダイエットや体力向上を目指す方にとって大きな利点です。
4. 高重量の扱いとトレーニングの楽しさ
肩甲骨を適切にコントロールする事で動作の安定性が向上し、高重量を扱いやすくなります。
たとえばラットプルダウンで肩甲骨を意識的に寄せる事でより重い負荷に挑戦でき、トレーニングの達成感や楽しさも増します。
「肩甲骨を寄せない」選択はあり? 上級者と初心者の違い
一方で、特定のケースでは肩甲骨を寄せない選択も有効です。
以下のような場合に、肩甲骨の動きを抑えることが考えられます。
- アイソレーションを重視する場合:ワンハンドローやプルオーバーでは、広背筋を孤立させて刺激するために、肩甲骨の動きを最小限にすることがあります。
- 個人の身体的制約:怪我や関節の可動域の問題で、肩甲骨の動きを制限する必要がある場合も考えられます。
しかし肩甲骨のコントロールが未熟な初心者が「肩甲骨を寄せない」ことを主張するのは、技術不足を正当化している可能性があります。
初心者こそ肩甲骨の正しい動きを学び、フォームを習得することが重要です。
トレーニングにおける「意識」と「意図」は効果的な筋発達やケガ予防に不可欠です(McClure et al., 2001)。
初心者が肩甲骨を意識すべき理由初心者が肩甲骨を意識しないトレーニングを行うと、以下のようなリスクが生じます。
- フォームの乱れ:肩甲骨のコントロールができないと、不適切なフォームでトレーニングを行い、効果が低下したり、ケガのリスクが高まったりします。
- 筋力バランスの悪化:広背筋だけに頼った動作は、僧帽筋や菱形筋の発達を疎かにし、長期的な筋力バランスを崩す可能性があります。
- 姿勢悪化の助長:猫背やなで肩を改善する機会を逃し、日常生活での姿勢不良が悪化する恐れがあります。
一方、上級者は肩甲骨の動きを意図的にコントロールし、トレーニングの目的に応じて「寄せる」「寄せない」を選択できます。
この柔軟性が、初心者と上級者の大きな違いです。
結論:肩甲骨のコントロールで背中のトレーニングを最大化
背中のトレーニングにおいて、肩甲骨を意識的に動かす事は筋活動の効率化、姿勢改善、消費カロリーの増加、そしてトレーニングの楽しさに繋がります。
特にラットプルダウンやチンニングなどのコンパウンド種目では、肩甲骨の内転・下制を意識することでより高い効果が得られます。
ただし、肩甲骨を寄せない選択も特定の目的や状況では有効です。
重要なのは、肩甲骨の動きを「コントロールできる」状態であること。
初心者の方はまず正しいフォームと肩甲骨の動きを学び、トレーニングの基礎を固めることをおすすめします。
実践のポイント:肩甲骨を意識したトレーニングのコツ最後に、肩甲骨を効果的に動かすための実践的なコツを紹介します。
- 動作のイメージを持つ:ラットプルダウンでは、肘を引くだけでなく、肩甲骨を背中の中央に寄せるイメージを意識しましょう。
- 軽い重量から始める:初心者は軽い重量でフォームを練習し、肩甲骨の動きを体感することが大切です。
- 鏡やトレーナーのフィードバックを活用:自分のフォームを確認し、肩甲骨が正しく動いているかチェックしましょう。
- ストレッチとモビリティを重視:肩甲骨の可動域を広げるストレッチを日常的に行うことで、トレーニングの効果が向上します。
背中のトレーニングを通じて、強い背中と美しい姿勢を手に入れましょう。肩甲骨を意識したトレーニングは、あなたのフィットネスを次のレベルに引き上げますと言う話です。
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