膝痛の意外な原因は股関節? 膝に問題がないのに痛みが続く理由と科学的根拠

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

日々の生活で膝の痛みに悩まされている方は少なくありません。

「膝を休めれば治るはず」と思いきや、なかなか改善しないケースも多いのではないでしょうか。

実は膝痛の多くは膝関節そのものに問題がない場合があり、その原因の多くは股関節の問題にある可能性が高いのです。

この記事ではバイオメカニクスや関連痛の観点から、膝痛と股関節の意外なつながりをエビデンスに基づいて解説します。

膝痛の原因を探るヒントとして、ぜひお読みください。

膝痛の真実:膝そのものに問題がないケースが多い理由

膝痛は変形性膝関節症や半月板損傷などの膝由来のものがイメージされがちですが、実際には股関節の機能異常が膝に負担をかけているケースが少なくありません。

接骨院や整形外科の現場でも、「膝の痛い人の多くは膝に問題がない」と指摘されることがあります。

これは下肢全体が連動するバイオメカニクスの観点から説明がつきます。

例えば股関節の筋肉が弱くなると、歩行時や階段の上り下りで膝への負荷が増大します。

女性にこの傾向が強いという報告もあり、日常動作が膝痛の引き金になるのです。

さらに股関節の炎症が神経経路を通じて膝に痛みを「移す」**関連痛(Referred Pain)**も重要なメカニズムです。

股関節骨関節症の患者さんの約47%が膝下の痛みを訴えるというデータからも、このつながりが明らかになっています。

こうした膝痛の原因を無視すると、症状が慢性化しやすくなります。

膝痛でお悩みの方はまずは股関節のチェックを検討してみるのも良いかもしれません。

股関節が膝痛を引き起こす科学的メカニズム

股関節と膝は骨格や筋肉、神経が密接に連携しています。

股関節の問題が膝痛の原因になる主な理由を以下にまとめます。

1. バイオメカニクス的な影響

股関節の外転筋群(例: 中臀筋)が弱いと膝の安定性が崩れ、異常な力がかかります。

これにより膝蓋大腿痛症候群や腸脛靭帯症候群などの症状が出やすくなります。

研究では股関節の筋力低下が膝痛のリスクを1.7倍に高める可能性が示されています。

2. 関連痛の発生

股関節のトリガーポイント(筋肉内の硬結)が活性化すると、大腿神経の分布を通じて膝内側に痛みが放射します。

特に縫工筋(Sartorius Muscle)と呼ばれる長い筋肉が関与しやすいです。

この筋肉の緊張が膝痛の原因になるケースで、マッサージを行うと即座に軽減する例が報告されています。

3. 臨床的なエビデンス:主な研究論文

これらのメカニズムを裏付ける研究を、PubMedなどの信頼できるデータベースからピックアップしました。

膝痛の原因として股関節の役割を強調したものをテーブル形式で紹介します。各論文のリンクを追加しておりますので、詳細をご確認いただけます。

研究タイトル / 著者・年主な発見膝痛への示唆
The influence of abnormal hip mechanics on knee injury: a biomechanical perspective (Powers, 2010)股関節の筋制御異常が膝の力学を乱し、痛みや怪我を誘発。女性に顕著。股関節強化が膝痛予防に有効。
Hip Abductor Weakness and Its Association With New or Worsened Knee Pain (Segal et al., 2023)股関節外転筋の弱さが膝痛悪化リスクを1.7倍に。筋力低下が膝痛の直接的原因。
Defining Hip Pain for Population Studies (Birrell et al., 2005)股関節OA患者の47%に膝下痛。神経分布による。関連痛の頻度を証明。
Hip functions influence on knee dysfunction: a proximal link to a distal problem (Reiman et al., 2009)股関節の強度・可動域が膝病態に影響。股関節を「近位原因」として治療を推奨。
Sartorius Muscle Trigger Points and Referred Pain (Travell & Simonsのレビュー)縫工筋のトリガーポイントが膝内側痛を引き起こす。マッサージで緩和。実践的な介入法を示唆。

これらの研究から、膝痛の10-50%程度が股関節由来の可能性があると推定されます。

ただし大規模なランダム化比較試験(RCT)はまだ不足しており、今後の研究に期待が寄せられています。

縫工筋マッサージで膝痛が楽になる実践法

膝痛に悩む方が縫工筋の起始部をマッサージする事で痛みが劇的に軽減する事も良くある話です。これは、縫工筋のトリガーポイントが膝痛の原因だった場合の典型例です。

筋膜の緊張が下肢全体に波及する「近位-遠位連鎖」のため、股関節周りのケアが効果的です。

自宅で試せる簡単な方法として:

  • ストレッチ: 座った状態で膝を曲げ、足首を反対側の膝に乗せて股関節を優しく開く(1日2-3回、30秒キープ)。
  • マッサージ: 股関節の外側の筋(縫工筋)を軽く揉む。痛みが強い場合は専門家に相談を。

ただし自己判断は避け、整形外科や理学療法士の診察を優先してください。

MRIなどで膝の構造異常を確認するのも重要です。

膝痛を防ぐために:股関節ケアの日常習慣

膝痛の原因が股関節にある可能性を理解したら、予防策を習慣化しましょう。

股関節強化エクササイズ(ヒップアブダクション、アダクション等)を定期的に取り入れ、姿勢の改善を図るのがおすすめです。

早期介入で変形性膝関節症の進行を防げます。

膝痛でお困りの方は、まずは股関節の筋力チェックから。ご自身の症状に当てはまるようでしたら、専門医への相談をおすすめします。

もし膝の痛みでお困りの場合は当ジムまでお気軽にご連絡くださいねと言う話です。

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