超回復理論は本当に時代遅れ? フィットネス-疲労理論との違いを解説

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
筋トレやボディーメイクに取り組む方にとって、「超回復理論はもう古い?」という疑問や、「フィットネス-疲労理論は競技パフォーマンス向けでボディーメイクとは相性が悪い気がする」という声は非常に多いです。
本記事では、これらの疑問に科学的なエビデンスを交えながら丁寧に解説します。
さらに、クラシックフィジーク6回優勝のクリス・バムステッドの実践例も交えてお届けします。
超回復理論とは? 本当に時代遅れなのか
超回復理論は1950〜60年代に提唱された古典的モデルで、トレーニングで消耗した体が休息後に「元のレベルを超えて回復する」という考え方です(Yakovlev, 1967)。
近年は「時代遅れ」と言われる事も多いですが、完全に否定されているわけではありません。
筋タンパク質合成(MPS)はトレーニング後24〜48時間でピークを迎え、その後はベースラインに戻るため、「明確なオーバーシュートは観察されにくい」というのが現在のコンセンサスです(Damas et al., 2016、MacDougall et al., 1995)。
しかし、オーバーリーチング後の回復では超回復的な現象が確認されており(Bosco et al., 2000)、回復の重要性を再認識させる点では今でも価値があります。
超回復理論 vs フィットネス-疲労理論:決定的な違い
| 項目 | 超回復理論(単一因子モデル) | フィットネス-疲労理論(二因子モデル) |
|---|---|---|
| 因子の数 | 1つ(フィットネスのみ) | 2つ(フィットネス+疲労) |
| トレーニングの影響 | フィットネスが一時的に低下 → 回復でオーバーシュート | フィットネスは上昇、疲労は同時に発生 → パフォーマンス=フィットネス−疲労 |
| 疲労の持続期間 | 疲労と回復がほぼ同じ時間軸 | 疲労は短期的(数日)、フィットネスは長期的(数週間〜) |
| 主な文献 | Yakovlev, 1967 | Chiu & Barnes, 2003 |
| 実践での強み | シンプルで初心者にわかりやすい | 期分け・テーパリング設計に優れる(Mujika, 2010) |
フィットネス-疲労理論は超回復理論の進化版であり、現代の期分け理論のほぼ全てがこのモデルを基盤にしています(Zatsiorsky & Kraemer, 2021)。
ボディーメイク実践者にとって「フィットネス-疲労理論は相性が悪い」理由
理論としては正しいものの、多くのボディービルダーが「競技パフォーマンス向けでピンとこない」と感じるのは自然です。
理由は単純で、フィットネス-疲労理論は「数値化できるパフォーマンス(1RMやジャンプ高)」を最適化するモデルであり、ボディーメイクは「見た目・パンプ感・部位別バランス」が最優先だからです(Helms et al., 2021)。
実例:クリス・バムステッド(6×クラシックフィジーク王者)のルーチン
CBumはまさに「理論よりも感覚優先」の代表選手です(YouTube公式チャンネル)。
2024-2025シーズンのオフシーズンルーチン例:
- 5日分割(Back / Chest+Biceps / Ham+Glutes / Shoulders+Triceps / Quads+Calves)
- 各部位を週1回、回復をしっかり確保
- 「ポンプ感が戻り、重量・レップが伸びるタイミング」で再刺激
これは「超回復理論の休息重視」と「フィットネス-疲労理論の疲労管理」を絶妙に融合させた実践例です。
何にせよ、最も大切なのは「疲労管理」
超回復理論も、フィットネス-疲労理論も、高頻度トレーニングも、結局は「疲労管理」の異なる表現に過ぎません。
- 超回復理論 → 「疲労が完全に抜けるまで待て」
- フィットネス-疲労理論 → 「疲労を数値化してコントロールせよ」
- 高頻度派 → 「局所的な疲労は残っていても、全身の疲労が溜まらなければOK」
トップ選手たちが口を揃えて言うのも同じです:
- クリス・バムステッド「回復が最優先。ポンプが戻らない日は休む」
- ジェレミー・ブエンディア「疲労が溜まったら即ディロード」
- ヒョンテ「睡眠と食事が8割。トレーニングは2割」
2025年現在の科学と現場が完全に一致している結論はただ一つ
「疲労を溜めすぎず、抜きすぎず、自分のパフォーマンスと見た目が最高になるポイントを見極める」
これができれば、どんな理論を使っても、どんな分割にしても結果は出ます。
最終結論:理論はあくまで道具。
最終的に正解を決めるのは、毎日の鏡とノート、そして自分の感覚です。
今日も良い疲労管理をしていきましょう!と言う話です。
次回は疲労管理から考える全身法VS分割法について投稿します。
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