静的ストレッチは万能ではない

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
ストレッチ、特に静的ストレッチは柔軟性向上や怪我予防に役立つとされてきましたが、科学的エビデンスによると必ずしも万能な解決策では無い事が分かってきました。
特に、過剰な柔軟性は筋力不足の女性で腱板断裂のリスクを高める可能性があります。
以下では2017年のHarveyらのコクランレビューを中心に、静的ストレッチの限界と「動きの中の柔軟性」の重要性を分かりやすく解説します。
静的ストレッチの効果は限定的
Harveyら(2017)のコクランレビューによると、静的ストレッチは関節の可動域(ROM)、生活の質(QOL)、疼痛に対して臨床的に大きな効果が無い事が高いエビデンスで示されています。
神経学的状態の有無にかかわらず、静的ストレッチは柔軟性を一時的に高めるものの、臨床的な改善にはほとんど寄与しません。
つまりスポーツでの怪我予防やパフォーマンス向上も、静的ストレッチだけでは期待しにくいのです。
怪我リスク:静的ストレッチは直接的原因ではないが…
しかし静的ストレッチが直接的に靭帯損傷や骨折を引き起こす証拠はほぼありません。
ただし過度なストレッチや筋力不足の状態で無理な可動域を追求すると、関節の安定性が損なわれる可能性があります(Behm et al., 2016)。
特に筋力不足の女性では、過剰な柔軟性が問題となることがあります。
過剰な柔軟性と腱板断裂:女性のリスク
女性は関節弛緩症(ルーズショルダーなど)が多く、ホルモンの影響で靭帯が緩みやすい傾向があります(Hakim & Grahame, 2003)。
これらに筋力不足が加わると肩関節の安定性が低下し、腱板断裂のリスクが高まります(Cameron et al., 2010)。
腱板は肩の安定性を保つ重要な筋群ですが、過剰な柔軟性による不安定性が繰り返しのストレスを引き起こし断裂に至る可能性があります(Owens et al., 2015)。
特にヨガや反復動作のスポーツを行う女性で筋力トレーニングが不足している場合、このリスクが顕著です。
「動きの中の柔軟性」が鍵
静的ストレッチによる柔軟性は一時的で、筋力や制御が伴わないと怪我リスクを高める可能性があります。
一方で動的ストレッチや機能的トレーニングは、筋力と協調性を鍛えながら「動きの中の柔軟性」を養います。
これは実際の動作で使える柔軟性で、怪我予防やパフォーマンス向上に効果的です(Behm & Chaouachi, 2011)。
特に女性や筋力不足の方は腱板筋群や肩甲骨周囲筋の強化(例:外旋エクササイズ、プッシュアップ等)を優先し、静的ストレッチは補助的に使うべきです。
結論:バランスが重要
静的ストレッチはリラクゼーションや疲労回復には役立つものの、万能ではありません。
そして過剰な柔軟性は、特に筋力不足の女性で腱板断裂のリスクを高める可能性があります。
エビデンスに基づき、筋力強化や動的ストレッチを組み合わせた「動きの中の柔軟性」を重視する事が怪我予防と健康増進の鍵です。
個々の目的や身体状況に合わせたトレーニングメニューの作成が重要だと言う話です。
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