「松のことは松に習へ、竹のことは竹に習へ」

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
――筋力トレーニングで最も大切な「個別性の原則」と、自分の身体と向き合う姿勢――
「松のことは松に習へ、竹のことは竹に習へ」
江戸時代前期の俳人、松尾芭蕉のこの言葉は筋力トレーニングの本質を言い当てています。
どれだけ優れた論文や著名なコーチのメソッドを学んでも、最終的にあなたの筋肉がどう反応し、どう回復し、どう成長するのか――それは、あなた自身の身体だけが知っている真実です。
トレーニング界に溢れる「絶対正義」の罠
SNSが発達した現代は情報が溢れすぎています。
- 「○○レップ×○○セットじゃなきゃ筋肥大しない」
- 「この種目を外すと筋肥大しない」
- 「今時そんなこと言ってる指導者は馬鹿」
- 「~~している指導者は三流」
- 「9割が知らない○○」
なんて嬉しそうに語っている人の多くはガリガリか大デブが小デブになったようなトレーニング未経験者や初心者が殆どです。
こうした断定的な発信の多くは、実はトレーニング歴が浅い方や、自身がまだ大きな身体変化を経験していない方によるものが少なくありません。
知識を振りかざすことは簡単ですが、本当に大切なのは「個別性の原則」です。
トレーニングの三原理・五原則(正確な区分とエビデンス)
筋力トレーニングの基礎原則は以下の通りです。
三原理
- 過負荷の原理(Overload Principle)
→ 日常以上の負荷をかけることで適応を促す
NSCAの公式解説 - 特異性の原理(SAID Principle)
→ 行ったトレーニングに特異的に適応する
PubMedレビュー - 可逆性の原理(Reversibility)
→ 負荷を止めると適応は失われる
五原則(日本体育・健康科学界で整理されたもの)
- 漸進性の原則
- 全面性の原則
- 個別性の原則
- 意識性の原則
- 反復性の原則
※補足:過負荷の原則は、19世紀のルー(Wilhelm Roux)が提唱した「機能的適応の法則(ルーの法則)」を基盤としていますが、厳密には別概念です。
「個別性の原則」が現れる、ありふれた具体例同じプログラムを1年間続けた3人の例:
- Aさん:ベンチプレス60kg→110kg(胸が強い遺伝子型)
- Bさん:スクワット140kg→200kg(下半身優位)
- Cさん:デッドリフトで必ず腰に違和感(解剖学的特徴の違い)
研究でも証明されています:
→ 同じトレーニングで筋肥大反応に最大24倍の個人差(2005年、Hubalら)
自分の身体の声を聞くための「聞き方」を身につける
「好きにやればいい」というのは、「何も知らなくていい」という意味ではありません。
正確に聞き取るための最低限の素養:
- 正しいフォームの基礎(一度は信頼できる人に教わる)
→ NSCA推奨フォーム基準 - 関節痛と筋肉痛の違いを見極める感覚
- 最低限の解剖学・運動学
→ 無料で学べる「Muscle & Motion」 - 回復力の観察習慣(トレーニングログ)
→ ログを取るだけで強度10%向上の研究
結論:好きこそが最強のプロトコル
科学的に「最適」とされるプログラムでも、嫌いなら続きません。
少し非効率に見えても、好きな種目・好きな音楽・好きな時間帯で続けられるなら、10年後もトレーニングを続けていられます。→ 20年追跡研究:継続した人だけが最終的に強い
「松のことは松に習え」あなたの身体のことは、あなたの身体に習ってください。
最初は先達に学び、基礎を固め、痛みと心地よさの違いを覚え、やがて自分の身体が発する微かな声に耳を澄ます。
その先に、あなただけが辿り着ける「最高の自分」が待っていますよと言う話です。
滋賀県大津市月輪1丁目3-8 アル・プラザ瀬田4F 女性専用フィットネスLBC
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