筋トレで鍛えた筋肉は「使えない」のか? 現代のスポーツ科学から徹底解説

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

今でこそ絶滅危惧種に近い存在ですが、それでもまだ「筋トレで鍛えた筋肉は使えない」「スポーツ競技に過剰な筋肉はいらない」と言った考えの方は一定数居られます。

確かにボディビルディングのような単関節種目を年中繰り返すだけでは、野球やサッカーなどの競技パフォーマンスが必ずしも向上するとは限りません。

しかし、現代のプロスポーツ選手で何かしらのウェイトトレーニングを一切行っていない選手はほぼ存在しません。

多くのアスリートはトレーニング効果を最大化するために「期分け(ピリオダイゼーション)」を導入し、効率的に「使える筋肉」を育成しています。

さらに重要なのは、たとえ競技パフォーマンスへの直接的な寄与が限定的であったとしても、筋トレは生活の質(QOL)の向上に確実に貢献するという点です。

筋肉は単なる「動かすための組織」ではなく人体最大のホルモン分泌器官として機能しており、そこから生み出されるマイオカインが全身の健康を支えています。

以下で、科学的な根拠に基づいて詳しく解説します。

ピリオダイゼーションとは? アスリートが実践する期分けの基本

ピリオダイゼーション(periodization)は、トレーニングを段階的に分ける事で過負荷を避けながらパフォーマンスを最大化する手法です。古典的なモデル(Tudor Bompa らに基づく)では、主に以下の4段階が挙げられます。

  1. 解剖学的適応期
    目的:筋肉・腱・靭帯・関節を強化し、高強度トレーニングに耐えられる基盤を作る。
    内容:低〜中強度でボリュームを徐々に増やし、怪我予防を優先(例:60-70% 1RM、10-15回×複数セット)。
  2. 筋肥大期
    目的:筋肉の体積(断面積)を増加させ、力のポテンシャルを高める。
    内容:中程度の負荷(65-85% 1RM程度)で8-12回をメインに実施。多くの現場では、このゾーンが筋肥大の最適範囲として扱われています。
  3. 最大筋力期
    目的:神経系の適応を促し、最大筋力を引き出す。
    内容:高強度(85-100% 1RM)で3-6回程度、低ボリューム・長休息。
  4. 特異的筋力への変換期(パワー変換期)
    目的:最大筋力を競技特有のパワー、スピード、パワー持久力などに変換する。
    内容:爆発的な動作(プライオメトリクス、オリンピックリフトなど)やスポーツ特異的なドリルを組み合わせ、力の発現速度(Rate of Force Development)を向上させる。

競技特性により順序や期間は調整されますが(例:短距離系は筋肥大期を短く、重量級は長く)、このフレームワークにより「ただ大きい」ではなく「使える」筋肉が効率的に作られます。

現代のプロ選手がほぼ全員ウェイトトレーニングを取り入れるのは、この科学的根拠があるからです。

「使えない筋肉」は存在しない — 筋肉は人体最大のホルモン分泌器官

近年ではスポーツ生理学の進歩により、骨格筋は体重の約40%を占める最大の内分泌器官として再定義されています。

筋収縮により分泌されるマイオカイン(IL-6、Irisin、BDNFなど数百種類)は、Hoffmann et al. (2017)Severinsen & Pedersen (2020) のレビューで詳述されているように、以下のような全身効果を発揮します。

  • 血糖・脂質代謝の改善(糖尿病・肥満予防)
  • 炎症抑制・免疫調整
  • 脳機能向上(認知機能・うつ症状軽減)
  • 骨形成促進
  • 血管機能改善・がんリスク低減

これらの効果は競技で爆発的なパワーを発揮しなくても、日常的に筋肉を維持・使用するだけで得られます。

つまり「使えない筋肉」など存在せず、存在するのは使われていない(分泌が少ない)筋肉だけです。

骨もオステオカインを分泌する内分泌器官であり、筋肉と連動して健康を支えています。

競技外でも圧倒的なQOL向上効果 — エビデンスのまとめ

筋力トレーニングのQOLへの影響は、数多くのメタアナリシスで確認されています。

特に高齢者や一般成人では、Kashi et al. (2023) のメタアナリシス(21研究、N=1610)で、SF-36の複数のドメイン(身体機能、精神的健康、社会的機能など)で有意な向上(効果量0.25〜0.51)が示されています。

女性の場合では更年期以降の筋肉減少が速いため、筋トレのQOL効果は特に顕著です。

González-Gálvez et al. (2024)Sá et al. (2023) のメタアナリシスでも、抵抗トレーニングが機能的能力向上、骨密度改善、更年期症状(ホットフラッシュ頻度減少など)に寄与することが報告されています。

  • 身体機能、精神的健康、社会的機能、全体QOLの有意な向上
  • うつ症状・不安の軽減、自己効力感の向上、睡眠質改善
  • 筋肉量維持によるサルコペニア・フレイル予防、転倒リスク低下、健康寿命延伸

たとえ競技で直接「使えなかった」としても、これらの健康効果は一生涯にわたる「勝ち」となります。

何事も目的に合った手段を選ぶことが重要です。

競技パフォーマンスのためだけでなく、健康で自立した人生を送る為には筋トレは非常に有効な選択肢です。

女性専用フィットネスLBCでは、こうした科学的視点に基づいたトレーニングをご提供しています。

筋肉を「ホルモン工場」として活用し、QOLを高めていきましょうと言う話です。

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