インピンジメント症候群の予防とその対策

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

ロサンゼルス・ドジャース所属の佐々木朗希投手が「右肩インピンジメント症候群」で負傷者リスト入りというニュースが野球ファンの間で話題となっているようです。

肩のインピンジメント症候群(肩峰下インピンジメント症候群、SAIS)は投手にとって深刻な問題です。 
 
この症候群は肩峰下スペースの狭窄や筋力バランスの乱れ、姿勢不良などが原因で起こり、投手ヤバレーボール選手のようなオーバーヘッド動作を繰り返すアスリートに多い障害です。 

インピンジメント症候群の予防とその回復策の優先順位をエビデンスと共にまとめた記事は下記の通りです。

①ローテーターカフの強化

ローテーターカフ(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)は肩関節の安定性を支えるインナーマッスルで、投球のたびに大きな負荷がかかる投手の肩では、その筋力不足がインピンジメントのリスクを高めます。

2017年のCochrane Databaseの系統的レビューでは、ローテーターカフと肩甲骨周囲筋の強化が疼痛軽減と機能改善に有効とされています。

2019年のJournal of Shoulder and Elbow Surgeryの研究でも6~12週間の外旋・内旋運動が肩の可動域と筋力を改善し、再発を防ぐと報告されました。

推奨エクササイズは抵抗バンドを使った外旋(10-15回×2-3セット)、内旋、プッシュアッププラス(肩甲骨安定化)などです。

週3~4回の継続で、肩の安定性が向上し、腱板の圧迫が軽減されると言われています。

優先順位:最優先

②姿勢矯正

猫背は肩峰下スペースを狭め、インピンジメントを悪化させます(Kibler et al., 2013)。

2016年の研究では胸椎伸展や肩甲骨リトラクションが肩の動きを改善し、胸を開くストレッチはとても重要です。

優先順位:高い

③肩甲骨周囲筋の強化

肩甲骨の不安定性も大きなリスク要因です。

2018年の研究では、前鋸筋や僧帽筋下部の強化が安定性を高めると報告されています。

優先順位:高い。

④ストレッチング

胸筋や後方関節包の硬さは可動域を制限します。

2020年の研究では胸筋のストレッチが効果的と報告されました。

優先順位:中程度。

⑤投球フォームの修正

不適切なフォームは負担を増大し、2019年の研究では動作再教育が再発予防に有効と報告。

優先順位:中程度。

⑥ 負荷管理

過剰な投球やオーバーワークは炎症を悪化させます。

優先順位:中程度

AAOSガイドライン(2020)では運動療法が第一選択とし、急性期は休息やアイシングを優先し、理学療法士の指導でプログラムをカスタマイズすべきとしています。

野球選手やアスリートに限らず、ローテーターカフの強化はインピンジメント症候群の予防・回復に有効です。

姿勢矯正と肩甲骨強化を組み合わせ、運動時のフォームや負荷管理を徹底する事で肩の健康は守られます。

彼の復帰を願いながら、この出来事を機に私たちも肩のケアを意識してみませんか?と言う話です。

  

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