本質を理解する

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

ピラティスやヨガはしなやかな体作りやコアの強化に素晴らしい効果を発揮します。

しかし「ピラティスやヨガは細長い筋肉を作り、筋力トレーニング(ウェイトトレーニング)は手足を太くしてゴリマッチョになる」と主張するトレーナーがいます。

このような主張はピラティスやヨガの本質を見誤っているだけでなく、解剖学や生理学の基礎知識が欠けていると自白しているも同然です。

ここではエビデンスを基になぜこの考えが誤りで、ピラティス、ヨガ、筋トレがそれぞれどのように身体に作用するのかを解説します。

「細長い筋肉」という神話の誤解

「ピラティスやヨガは筋肉を細長くし、筋力トレーニングはゴツくする」という主張は、よく耳にするものの科学的根拠がありません。

筋肉の形状は遺伝的に決まっており、トレーニングの種類によって「細長くなる」ことはありません。

筋肉は負荷や刺激に応じて肥大するか、持久力を高める適応をするだけです(Journal of Applied Physiology, 2016)。

ピラティスやヨガは低~中負荷で、ゆっくりとした動きや等尺性収縮(筋肉の長さが変わらない収縮)を多く含みます。

これにより筋持久力やコアの安定性が向上し、特に腹横筋や多裂筋といった深層筋が強化されます(Journal of Bodywork and Movement Therapies, 2015)。

一方で筋力トレーニング(特にスクワットやデッドリフトなどの高負荷複合運動)は筋肥大や筋力向上を促進し、基礎代謝を高めます(Journal of Strength and Conditioning Research, 2018)。

しかし筋肉が「ゴリマッチョ」になるかどうかは、トレーニングの強度、量、食事(特にタンパク質とカロリー摂取量)に依存します。

(食事量が適切であれば)一般的な筋力トレーニングで「手足が太くなる」ことを恐れる必要はなく、女性や軽い負荷でのトレーニングでは顕著な筋肥大は起こりにくいのです(Sports Medicine, 2017)。

ピラティス・ヨガと筋トレ:コア強化の共通点

ピラティスやヨガのトレーナーが「筋トレはコアを鍛えない」と主張することがありますが、これは全くの誤解です。

スクワットやデッドリフトのような高負荷の複合運動では腹圧(IAP:Intra-Abdominal Pressure)を高めるために腹横筋や腹直筋が自然に強く収縮します。

研究ではデッドリフト中の腹横筋の筋活動がピラティスのコアエクササイズに匹敵するレベルであることが示されています(Journal of Applied Biomechanics, 2014)。

つまり適切なフォームで筋力トレーニングを行えば、ピラティスやヨガと同じくコアは効果的に鍛えられるのです。

ピラティスやヨガはドローイン(腹横筋を意識的に収縮させるテクニック)を通じてコアの意識を高めるのに優れています。

しかし筋力トレーニングでも重いバーベルを扱う際、腹横筋は無意識に活性化します。

例えばスクワットで100kgを担ぐ場合、姿勢を安定させるためにコア全体がフル稼働します。

この点で筋力トレーニングはコアを「機能的に」鍛える強力な手段と言えます。

カロリー消費と体型変化:筋トレの優位性

お腹を引き締めるには、体脂肪を減らすことが欠かせません。

ピラティスやヨガは柔軟性や姿勢改善に優れますが、カロリー消費は控えめです。

1時間のピラティスセッションで消費するカロリーは約200~300kcal程度(Journal of Exercise Physiology Online, 2015)。

一方で筋力トレーニング(特に高強度の複合運動)は1時間で400~600kcal以上を消費し、運動後過剰酸素消費量(EPOC)によりトレーニング後もカロリーを燃やし続けます(European Journal of Applied Physiology, 2011)。

さらに、筋力トレーニングは筋量を増やし、基礎代謝を高める為に長期的な脂肪燃焼に有利です。

ピラティスやヨガが「引き締まった身体」を作るとされるのはコアの意識や姿勢改善による視覚的効果が大きいからですが、脂肪減少の効率では筋トレに軍配が上がります。

「筋トレ=ゴリマッチョ」というイメージは、極端なボディビルダーの例を一般化しすぎた誤解です。

ピラティス・ヨガの本質と筋トレの補完性

ピラティスやヨガは心身のバランス、柔軟性、マインドフルネスを重視し、リハビリや姿勢改善に適しています(Clinical Rehabilitation, 2015)。

一方筋力トレーニングは筋力、筋量、代謝の向上を効率的に実現します。

両者は競合するものではなく、目的に応じて補完し合います。

例えばピラティスでコアの意識を高めた後、筋トレで高負荷のスクワットを行うとフォームが安定し、効果が最大化します。

ピラティスやヨガを礼賛しつつ筋力トレーニングを否定するトレーナーは両者の科学的効果を理解せず、偏ったイメージで語っている可能性があります。

解剖学的に筋肉はトレーニングの種類で形状が変わるものではなく、生理学的にも筋トレはコア強化や脂肪燃焼に有効です。

ピラティスやヨガの本質は筋力トレーニングを排除することではなく、身体の調和や機能性を高めることにあります。

結論:バランスが鍵、偏見は不要

ピラティスやヨガは素晴らしい運動ですが、筋力トレーニングを「ゴリマッチョになる」と否定するのは解剖学や生理学の基礎を見落とした誤解です。

筋力トレーニングはコアを機能的に鍛え、脂肪燃焼を加速し、引き締まった体型を作る強力なツールです。

ピラティスやヨガはコアの意識や柔軟性を高める補完的な役割を果たします。

お腹を引き締めたいなら筋力トレーニングを主軸に、ピラティスやヨガを補助的に取り入れ、食事管理(カロリー赤字+タンパク質多め)を組み合わせるのが効果的です。

トレーナーとして大切なのはクライアントの目標に合わせて科学的な知識を活かし、偏見なく最適な方法を提案する事で、ピラティス、ヨガ、筋トレを正しく理解し、バランスよく取り入れる事で理想の身体はもっと近づきます。

目的は目的、手段は手段、どちらが良いとか悪いとでは無いと言う話です。

滋賀県大津市月輪1丁目3-8 アル・プラザ瀬田4F 女性専用フィットネスLBC

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