筋肥大の仕組とマッスルメモリーを理解する

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

筋力トレーニングを始めたばかりの方にとって、「筋肉がどのように成長するのか」「一度鍛えた筋肉はどのくらい維持されるのか」は気になるポイントだと思います。

特に仕事や生活の忙しさで筋力トレーニングを数週間お休みした場合、筋肉が元に戻ってしまうのではないかと心配になることもあるでしょう。

この記事ではマッスルメモリーとエピジェネティクスという科学的な仕組みを初心者にもわかりやすく解説、科学的なエビデンスに基づき筋力トレーニングの効果やブランクの影響を紐解いていきますので、ぜひ最後までお読みください!

1. 筋トレで筋肉はどうなる?筋細胞の数は増えないって本当?

筋力トレーニングをすると筋肉が大きく、強くなりますが、実は筋細胞(筋繊維)の数は増加する事はありません。

人間の筋細胞の数は生まれつきほぼ決まっており、筋力トレーニングによって新たに筋細胞が生まれることはほとんどありません(Schoenfeld et al., 2019)。

ではなぜ筋肉が大きくなるのでしょうか?

その秘密は筋細胞の肥大と筋核の増加にあります。

筋トレをすると筋細胞の内部にある「筋核」と呼ばれる制御センターが増加し、この筋核が増える事で筋肉を作るタンパク質の生産が活発になり、筋細胞が太く、大きくなるのです(Murach et al., 2020)。

イメージとしては筋肉の工場(筋細胞)に新しい機械(筋核)が追加され、生産能力がアップするようなものです!

ポイント: 筋トレは筋細胞の数を増やすのではなく、筋細胞を大きくし、筋核を増やすことで筋肉を強化します。


2. マッスルメモリーとは?ブランクがあっても大丈夫!

「マッスルメモリー」という言葉を聞いたことはありますか?

これは一度筋トレで鍛えた筋肉が、数週間のブランクがあっても比較的早く元の状態に戻る現象を指します。

たとえば仕事の繁忙期で2〜3週間筋トレができなかったとしても、すぐに筋肉がゼロに戻るわけではありません。

なぜなら筋トレで増えた筋核は長期間(数年程度)維持されるからです(Gundersen, 2016)。

筋核は筋肉の「記憶」を保持する役割を果たし、たとえ筋トレをやめて筋肉のサイズが少し小さくなっても筋核はそのまま残り、再び筋トレを始めたときに素早く筋肉を復活させるのです。

これがマッスルメモリーの仕組みで、初心者よりも経験者の方が早く筋肉を取り戻せる理由です(Seaborne et al., 2018)。

ポイント: 数週間のブランクは心配不要!マッスルメモリーのおかげで、筋トレ再開後に筋肉は素早く回復します。


3. エピジェネティクスって何?筋トレが遺伝子に与える影響

筋トレが筋肉に与える影響は、単なる筋肉の肥大だけでは無く、実は筋トレはエピジェネティクスという仕組みを通じて、筋肉の遺伝子に「スイッチ」を入れるような変化を起こします。

エピジェネティクスとはDNAの塩基配列を変えずに、遺伝子の働きを調節する仕組みの事で、簡単に言えば筋トレが遺伝子に「筋肉を強くする準備」をさせるのです!

エピジェネティクスの主な変化

  1. DNAメチル化: 筋トレをすると、筋肉の成長に関わる遺伝子(例: IGF-1)のメチル化が減少し、遺伝子が働きやすくなります。これにより、筋タンパク質の生産が促進され、筋肥大が起こります(Seaborne et al., 2018)。
  2. ヒストン修飾: DNAを巻き付けるヒストンというタンパク質に化学的なタグが付き、遺伝子が「オン」になりやすくなります。これにより、筋肉の成長や修復が効率的に進みます(McGee et al., 2014)。
  3. マイクロRNA: 筋トレは、遺伝子の発現を微調整する小さなRNA(miRNA)の量を変化させ、筋肉の成長や衛星細胞(筋核を供給する細胞)の活性化をサポートします(Davidsen et al., 2011)。

イメージで言うと筋トレは遺伝子の本に「付箋」を貼って、筋肉を強くするためのページを開きやすくするようなものです。

この「付箋」はトレーニングをやめた後も残り、マッスルメモリーとして機能します。

ポイント: 筋トレは遺伝子のスイッチをオンにし、筋肉の成長を効率化。ブランク後もその記憶が残ります!


4. なぜキャリアのあるトレーニーは分割法を選ぶの?

筋トレを続けている中級〜上級トレーニーは、**分割法(スプリットトレーニング)**を採用する人が多いです。

これは胸、背中、脚などを別々の日に鍛える方法で、筋肉の回復を最適化します。

ではなぜ分割法が人気なのでしょうか?これはマッスルメモリーと直接関係があるのでしょうか?

実は分割法の採用はマッスルメモリーよりも、筋タンパク質合成のタイミングやトレーニングボリュームの管理が主な理由です。

筋トレ後の筋タンパク質合成は48〜72時間でピークを迎える為に各筋群に十分な休息を与えつつ、週に1〜2回高強度の刺激を与える分割法が効果的です(Schoenfeld et al., 2019)。

特に、キャリアのあるトレーニーは筋肉が大きくなるにつれて多くのトレーニングボリュームが必要になるため、分割法で筋群ごとの負荷を集中させ、疲労を分散させます。

マッスルメモリーは数週間以上のブランク後の回復に関係しますが、数日間の回復期間には直接関与しません。

ただし分割法による継続的なトレーニングが筋核を増やし、長期的にマッスルメモリーの基盤を作ることはあります。

ポイント: 分割法は筋肉の回復と成長を最適化する戦略。マッスルメモリーとは直接関係しませんが、筋核の増加に間接的に貢献します。


5. 数週間のブランクは怖くない!科学が証明する理由

忙しい時期に筋トレを2〜3週間お休みしても、筋肉がゼロに戻ることはありません。

科学的な研究によると、数週間のブランクでは筋核が減らずに筋肉のサイズや筋力の減少も限定的です(Psilander et al., 2019)。

さらにマッスルメモリーのおかげで、トレーニング再開後には筋肉が素早く元の状態に戻ります。

たとえば以下のような状況でも安心です:

  • 仕事の繁忙期で筋トレができない
  • 旅行や怪我で数週間ジムに行けない
  • 生活の変化で一時的にトレーニングが中断

ブランク中に軽い運動(ウォーキングやストレッチ)を続けられれば、筋肉の減少はさらに抑えられます。

トレーニング再開時には急に高負荷に戻さず、徐々に強度を上げることで効率的に回復できます。

ポイント: 数週間のブランクは筋核が維持されるので心配無用!再開後に素早く筋肉が戻ります。


6. まとめ:筋トレ初心者が知っておきたい事

筋トレ初心者の皆さんに、以下のポイントを覚えておいてほしいです:

  1. 筋トレは筋細胞の肥大と筋核の増加で筋肉を強くします。筋細胞の数は増えません。
  2. マッスルメモリーにより、数週間のブランクがあっても筋肉は素早く回復します。
  3. エピジェネティクスは筋トレが遺伝子のスイッチをオンにし、筋肉の成長や記憶をサポートする仕組みです。
  4. 分割法は中級〜上級トレーニーが筋肉の回復を最適化するために選びますが、マッスルメモリーとは直接関係しません。
  5. 数週間のブランクは怖くありません!筋核とエピジェネティックな記憶があなたをサポートします。

筋トレは科学的な仕組みを理解することで、より楽しく、効率的に取り組めます。

忙しい時期があっても筋トレを再開すればすぐに成果を取り戻せますので、少々のブランクはむしろ心身のリフレッシュ期間と捉えるべきなのだと言う話です。

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