プランクに対する考察

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
SNS等ではボディーメイクを目的としたトレーニングにおいて、プランクは「腹筋の代表メニュー」として広く推奨されています。
しかしプランクを過度に重視する風潮に対し「フルROM(可動域全体)の多関節運動で十分にコア筋が鍛えられる」「インナーマッスルとアウターマッスルを分けて考える必要はない」といった意見があります。
本記事ではプランクの役割とフルROM多関節運動の優位性を科学的エビデンスに基づき解説します。
さらにバランスボールを使ったプランクの有効性についても触れ、ボディーメイクに最適なトレーニングアプローチを考察、提案します。
1. プランクの役割と限界
プランクは腹横筋や多裂筋といった深層のコア筋を鍛えるアイソメトリック(静的)なエクササイズとして知られ、コアの安定性や姿勢改善に有効で、初心者やリハビリ中の人、競技パフォーマンスを高めたい人に適しています。
しかしボディーメイク(筋肥大や審美性の向上)を主目的とする場合、以下のような限界があります
筋肥大効果の限界:プランクは静的収縮に依存し、筋肉の伸張・収縮を伴うダイナミックな刺激が不足します。筋肥大には、メカニカルテンション、筋ダメージ、代謝ストレスの3要素が重要ですが、プランクは主にメカニカルテンションに依存し、その意味で効果が限定的(Schoenfeld et al., 2014)と言えます。
審美性の向上に直結しない:腹直筋や腹斜筋の「シックスパック」を強調するには、ケーブルクランチやハンギングレッグレイズのような動的種目が適しています。
プランクは深層筋の強化に特化し、見た目の筋肥大には直接的に寄与しにくいです。
過剰な推奨の背景:プランクは器具不要で手軽な為にフィットネス業界やSNSで「万能のコアトレーニング」として広まりました。しかし、ボディーメイクの目的にはミスマッチが生じることがあります。
- フルROM多関節運動の優位性 スクワットやデッドリフト、ディップスなどのフルROMでの多関節運動は、インナーマッスル(腹横筋、多裂筋)とアウターマッスル(腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋)を統合的に鍛える為にボディーメイクに最適です。
- コア筋の高い動員:多関節運動では、体幹を安定させるために腹横筋や多裂筋が強く活性化されます。研究によれば、スクワットやデッドリフトはプランクと同等かそれ以上のコア筋活動を誘発します(Nuzzo et al., 2008)。これにより、プランクを別途行う必要性が低減します。
- 筋肥大と審美性の向上:フルROMでの高重量トレーニングは腹直筋や腹斜筋を含む複数の筋群を刺激し、シックスパックやウエストのシェイプアップに直結します。また、スティッキングポイント(動作の最も難しいポイント)を通過することで、筋力と技術も強化されます。
- 時間効率と機能性:多関節運動は全身を効率的に鍛え、日常生活やスポーツの動作に近い形で筋肉を強化します。インナーマッスルとアウターマッスルを解離せず、統合的に鍛えることで、トレーニングの効果を最大化できます。
以上の理由から、ボディーメイクを目的とする場合ではフルROMの多関節運動をプログラムの中心に据えるべきと言え、プランクは補助的な役割に留め、ケーブルクランチやアブローラーなどの動的種目を優先するのが効果的です。
バランスボールプランク:補助的役割の強化プランクを取り入れる場合、バランスボールなどのバランス系ギアを使用すると効果が向上します。
以下はその利点です
筋活動の増加:バランスボールは不安定な表面を提供し、腹横筋、腹直筋、腹斜筋、肩甲帯の安定筋をより強く動員します(Anderson et al., 2014)。通常のプランクに比べ、ボディーメイクへの間接的な貢献度が高まります。
動的要素の追加:バランスを取る動作が加わるため、神経系の適応や筋の協調性が向上します。これは、スクワットやデッドリフトでの体幹安定性を強化し、動作の効率を高めます。
審美性への寄与:腹斜筋や前鋸筋の活性化を通じて、ウエストの引き締めやサイドのラインを整える効果が期待できます。
バランスボールプランクはトレーニングの終盤に短時間(例: 30〜45秒×2〜3セット)取り入れ、メインの多関節運動や動的腹筋種目を補完し、ボディーメイクのプログラムにバリエーションを加えます。
インナーマッスルとアウターマッスルの統合的アプローチ
フィットネス業界ではインナーマッスル(深層筋)とアウターマッスル(表層筋)を分けて考える傾向がありますが、ボディーメイクではこの解離は不要です。
スクワットやデッドリフトなどの多関節運動はインナーマッスルとアウターマッスルを同時に鍛え、動作の特異性や機能性を高めます。
プランクのような体幹トレーニングを別枠で重視するよりも多関節運動を軸に据え、必要に応じてバランスボールプランクやケーブルクランチを補助的に組み込むのが合理的です。
結論
ボディーメイクを目的とする場合、プランクを「腹筋の代表メニュー」として過剰に推奨するのは適切ではありません。
フルROMの多関節運動(スクワット、デッドリフトなど)はインナーマッスルとアウターマッスルを統合的に鍛え、筋肥大、審美性、機能性を効率的に向上させます。
プランクを取り入れる場合、バランスボールを使ったバリエーションを補助的に活用する事でコアの安定性やトレーニングのバリエーションを強化できます。
インナーマッスルとアウターマッスル、体幹トレーニングとその他のトレーニングなどと解離して理解せず、統合的なアプローチでトレーニングを最適化すればよいのでは?と言う話です。
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