ボディーメイクにおける背中のトレーニング:フルROMの重要性とパーシャルレップスの限界

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
ボディーメイクを目指す背中のトレーニングで、「テンションが抜けない範囲での筋肉を最大伸展・最大収縮させるフルROM(可動域全体)が基本」とする考えがあります。
ずいぶん昔に『月刊アイアンマン』で軸丸健吾氏(だったような別人だったような・・・)が提唱したとされるこの原則は、科学的にも支持されています。
しかしSNSでは可動域の狭いパーシャルレップスを行うトレーニーが多く、「腕にしか効いていない様に見える」ケースが目立ちます。
本記事ではトレーニングにおけるフルROMの優位性、パーシャルレップスの限界、そして効果的なプログラムを背中のトレーニングを例にエビデンスに基づき解説します。
1. フルROMの優位性:背中の筋肥大と審美性の鍵
フルROMでの背中のトレーニングは、広背筋、僧帽筋、菱形筋などの主動筋を(テンションが抜けない範囲で)最大限に伸ばし縮める事で筋肥大に必要なメカニカルテンション、筋ダメージ、代謝ストレスを効果的に刺激します(Schoenfeld, 2010)。
特にベントオーバーローやチンニング、ケーブルローなどの多関節運動は複数の筋群を動員し、ボディーメイクにおける審美性(V字シェイプや背中の厚み)を高めます。
研究によれば、フルROMはパーシャルROMに比べ筋肥大と筋力向上に優れています(Bloomquist et al., 2013)。
例えばローイング系種目で肩甲骨を完全に外転(引き離す)させ、広背筋を伸ばし、内転(引き寄せる)でピーク収縮を意識する事で背中の筋肉が最大限に活性化します(Youdas et al., 2010)。
またフルROMは関節の可動性や動作の機能性を向上させ、怪我予防にも寄与します。
「主動筋をしっかり伸ばしてしっかり縮める」基本は、ボディーメイクの効果を最大化します。
2. パーシャルレップスの限界:SNSで見る誤解
SNSでは可動域の狭いパーシャルレップスを行うトレーニーが多く、特にスティッキングポイント(動作の最も難しいポイント)を意識したトレーニングが目立ち、例えばローイング系種目で肘だけを動かし、肩甲骨の動きが不足するケースが散見されます。
このようなトレーニングは「腕にしか効いていない」状態になりがちです。
パーシャルレップスのメリットと限界を以下に整理します:
- メリット:
- スティッキングポイントの強化:特定角度での筋力を高め、技術を改善します(例: ラックプルでデッドリフトの弱点を補強)。
- 高重量の扱い:パーシャルROMはフルROMより重い重量を扱えるため、神経系の適応や腱・靭帯の強化に役立ちます。
- 上級者の追い込み:停滞期打破や特定筋群の強調に有効なテクニックです。
- 限界:
- 筋肥大効果の制限:パーシャルROMは筋肉の伸張・収縮が不足し、筋肥大効果がフルROMに劣ります(McMahon et al., 2014)。ローイングで肩甲骨の動きが少ないと、広背筋の刺激が減り、上腕二頭筋や前腕に負荷が偏ります。
- モーターユニット動員の不足:可動域が狭いと、協働筋(僧帽筋、菱形筋)や安定筋の関与が減少し、背中全体の発達が制限されます。
- 初心者への不適合:フォームが崩れやすく、怪我リスクが高い。初心者はフルROMで正しい動作を習得すべきです。
フルROMでのの高重量トレーニングはスティッキングポイントを通過することで筋力と技術を強化し、ボディーメイクの効率を高めます。
3. ローイング系種目での可動域の問題
SNSでよく見る「可動域の狭いローイング系トレーニング」は、背中の筋肉への刺激が不十分で、特に以下の問題が顕著です。
- 主動筋の不十分な刺激:広背筋や僧帽筋は、肩甲骨の外転・内転や肩関節の伸展・屈曲を通じて最大限に伸縮する必要があります。可動域が狭いと、これらの筋肉の完全な収縮や伸張が得られず、上腕二頭筋に負荷が偏ります。
- 肩甲骨の動きの制限:ローイングでは、肩甲骨を完全に引き寄せ(内転)、逆に引き離す(外転)動作が重要です。肘だけを動かすフォームは、広背筋の活性化を損ない、背中の審美性(V字シェイプ)を発達させにくいです(Youdas et al., 2010)。
- SNSの影響:派手な高重量や短い動画が注目されがちで、フルROMの重要性が軽視される傾向があります。
フルROMで肩甲骨の動きを意識する事で広背筋や僧帽筋を効果的に鍛え、背中の厚みと幅を最大化できます。
4. フルROMとパーシャルROMのバランス
ボディーメイクではフルROMを基本としつつ、パーシャルROMを戦略的に活用するのが効果的です
- 初心者・中級者:フルROMで正しいフォームを習得し、筋力基盤を構築。ローイング系種目では、肩甲骨の動きを意識し、軽い重量から始める。
- 上級者:スティッキングポイント強化や停滞期打破に、パーシャルROMを補助的に導入(例: ラックプルやパーシャルローイング)。
- 注意点:パーシャルROMはメイン種目ではなく、補助として活用。フルROMを優先することで、筋肥大と審美性を確保。
5. 背中のトレーニング:プログラム例
以下は、フルROMを重視した背中のトレーニングプログラム例です:
- チンニング:3セット×8〜12回(肩甲骨の外転・内転を意識)。
- ベントオーバーロー:4セット×8〜12回(広背筋のフルストレッチとピーク収縮)。
- ケーブルロー:3セット×12〜15回(軽量でフォームを重視)。
- 補助種目:ラックプル(3セット×5〜8回、パーシャルROMで高重量)。
6. 結論
ボディーメイクの為の背中のトレーニングでは、フルROMの多関節運動が筋肥大と審美性を最大化する基本です。
パーシャルレップスは上級者の補助テクニックとして有効ですが、初心者はフルROMを優先し、肩甲骨の動きを意識すべきです。
SNSで見る「腕にしか効いていない(かのような)」ローイングは、可動域の狭さが原因、フルROMで広背筋や僧帽筋をしっかり伸縮させ理想のV字シェイプを目指しましょう。
君の言う事も正しいが、私の言う事もそれなりに正しいと言う話です。
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