レッグカールの重要性

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

SNSでスクワットやデッドリフトをしていればレッグカールは不要だと言う情報を発信するトレーナーを見かけましたが、筋力トレーニングや怪我予防、競技パフォーマンスの向上を目指すのならば、レッグカールを取り入れる価値は非常に高いと私は思います。

本記事では科学的エビデンスに基づき、レッグカールがなぜ重要なのか、スクワットやデッドリフトとの違いを交えて詳しく解説します。


1. ハムストリングスの役割と動作の特異性

ハムストリングスとは太ももの裏側に位置する大腿二頭筋と半腱様筋、半膜様筋の総称で、主に以下の2つの機能を持っています

  • 股関節伸展:股関節を伸ばす動作(例:スクワットやデッドリフト)
  • 膝関節屈曲:膝を曲げる動作(例:レッグカール)

スクワットやデッドリフトは、股関節伸展を主体とする複合関節運動で、これらの種目ではハムストリングスは大臀筋や内転筋群と共同で働き、大きな力を発揮します。

しかし膝関節屈曲の動作はほとんど含まれない為、ハムストリングスの膝屈曲機能を直接的に鍛えるには不十分です。

一方でレッグカールは膝関節屈曲に特化した単関節運動であり、ハムストリングスを孤立させて強化します。

この動作特異性は、筋力バランスの改善や機能的動作の向上に欠かせません。

エビデンス:研究によれば、ハムストリングスの膝屈曲力は股関節伸展力とは異なる筋収縮パターン(特に短縮性収縮)を必要とします(Bourne et al., 2017)。

レッグカールは、この特異的な機能を効果的に強化する種目として知られています。


2. レッグカールがもたらす具体的なメリット

レッグカールを取り入れる事で以下のようなメリットが期待できます。

2.1 筋バランスの改善

大腿四頭筋がハムストリングスに対して過度に優位になると、膝関節の安定性が低下し、前十字靭帯(ACL)損傷などのリスクが高まります。

レッグカールはハムストリングスの強化を通じて、大腿四頭筋との筋バランスを整える効果があります。

エビデンス:ハムストリングスと大腿四頭筋の筋力比(H:Q比)が適切である事は膝関節の安定性と怪我予防に重要(Croisier et al., 2008)で、レッグカールはこの比率を最適化する有効な手段です。

2.2 肉離れの予防

ハムストリングスの肉離れはスプリントや急激な方向転換を伴うスポーツで頻発します。

レッグカール、特に遠心性収縮(エキセントリック)を強調したトレーニングは筋の耐久性を高め、肉離れのリスクを低減します。

エビデンス:ノルディックハムストリングカールのような遠心性トレーニングは、ハムストリングスの怪我リスクを最大50%低減することが示されています(Petersen et al., 2011)。

2.3 競技パフォーマンスの向上

サッカー、ラグビー、陸上競技など、多くのスポーツでは膝関節屈曲の強いハムストリングスが求められます。

レッグカールはスプリント速度やキック力、ジャンプの高さを向上させるのに貢献します。

エビデンス:ハムストリングスの膝屈曲力はスプリントパフォーマンスと密接に関連しており、強化することで加速力や敏捷性が向上します(Morin et al., 2015)。


3. スクワットやデッドリフトだけでは不十分な理由

「スクワットやデッドリフトだけで十分」と主張するトレーナーもいますが、以下の理由からレッグカールの重要性は無視できません。

3.1 動作特異性の欠如

スクワットやデッドリフトは股関節伸展を主体とする為に膝関節屈曲の動作を十分にカバーしません。

ハムストリングスの全機能をバランスよく鍛えるには、単関節運動であるレッグカールが必要です。

3.2 個人の弱点や目標

ハムストリングスが弱い人や、特定のスポーツで膝屈曲の強さが求められる場合、スクワットやデッドリフトだけでは不十分です。

レッグカールは、個々の弱点を補強するのに最適な種目です。

3.3 怪我予防の限界

複合関節運動だけではハムストリングスの遠心性収縮能力や筋バランスを最適化するのが難しい場合があり、レッグカールはこれを補う効率的な手段です。


4. レッグカールをトレーニングに取り入れる方法

レッグカールを効果的にプログラムに組み込むためのポイントを以下にまとめます。

  • 頻度と量:週に1〜2回、8〜12回×3〜4セットを目安に。スクワットやデッドリフトと組み合わせる事でバランスの取れたプログラムになります。
  • バリエーション:シーテッドレッグカール、ライイングレッグカール、ノルディックハムストリングカールなど、目的に応じたバリエーションを活用しましょう。
  • 遠心性収縮の重視:怪我予防を重視する場合、ネガティブフェーズを3〜5秒かけてゆっくり行う事で遠心性収縮を強化できます。
  • 筋バランス:大腿四頭筋とのトレーニング比率を1:1に近づけ、膝関節の安定性を高めましょう。

5. まとめ

スクワットやデッドリフトは優れた種目ですが、ハムストリングスの膝関節屈曲機能を直接的に鍛えるレッグカールは筋バランスの改善、怪我予防、競技パフォーマンスの向上に欠かせません。

科学的エビデンスもレッグカールの有効性を支持しており、特に日常生活やスポーツで膝屈曲の負荷が少ない事を考慮すると、レッグカールはトレーニングプログラムに積極的に取り入れるべきです。

トレーニングの目的や個々のニーズに応じて、複合関節運動と単関節運動をバランスよく組み合わせましょう。

レッグカールを活用して、強く、怪我に負けないハムストリングスを育てて行きましょう。

何事に於いても包括的な大きな視野で考えるべきだと言う話です。

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