筋トレによる体重増加とBMIの誤解:SNSの逆張り発信に惑わされない健康の考え方

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
先日SNS上で「筋トレをするとBMIが高くなるから避けるべき」という主張が医師の方から発信されていました。
最近ではこのような意見は注目を集めるための「逆張り」や極端な二元論的な発言として議論を呼んでいます。
本記事では、こうした主張の問題点を科学的エビデンスに基づいて解説し、筋トレとBMIの正しい関係、そして健康を考える上でのバランスの重要性について考察します。
BMIとは?その限界を理解する
BMI(Body Mass Index、ボディマス指数)は体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、肥満度を簡易的に評価する指標です。
しかしBMIは体重と身長のみに基づく為に筋肉量や体脂肪率、個人の体組成を考慮しません。
筋トレを行うことで筋肉量が増加するとBMIの数値が上昇することがありますが、これは必ずしも健康リスクを意味するものではありません。
例えばAmerican College of Sports Medicine(ACSM)のガイドラインによれば、筋力トレーニングは心血管疾患のリスク低減、インスリン感受性の向上、骨密度の強化など、長期的な健康に多くのメリットをもたらします(ACSM, 2021)。
このため、「BMIが高い=不健康」と単純に結論づけるのは科学的根拠に欠ける短絡的な主張と言えるでしょう。
SNSの「逆張り」発信の問題点
SNSでは注目を集めるために極端な意見や逆張りの発言が散見され、「筋トレはBMIを上げるから避けるべき」という主張もその一例です。
こうした発言は複雑な健康の話題を単純化し、誤解を招くリスクがあります。
さらに対立する意見を一方的に否定する二元論的なアプローチは建設的な議論を妨げ、ユーザーに混乱を与える可能性があります。
このような風潮に対し、筆者は「木を見て森を見ず」と表現し、率直に言えば「非科学的」と感じています。
健康を考える上では個々のデータ(BMIなど)だけでなく、全体像を捉えることが重要です。
アウフヘーベンとダイバーシティーの視点
健康やフィットネスの議論において、ドイツの哲学者ヘーゲルが提唱した「アウフヘーベン(Aufheben)」の考え方が役立ちます。
アウフヘーベンとは対立する二つの意見を否定するのではなく、双方の優れた点を統合し、新たな視点や解決策を生み出すアプローチです。
例えば「筋トレはBMIを上げるから悪い」という意見と「筋トレは健康に良い」という意見を対立させるのではなく、両者の文脈を理解し、バランスの取れた結論を導くことが重要です。
筋トレがBMIを上昇させる場合でも、体脂肪率や心肺機能、筋力などの指標を総合的に評価する事でより正確な健康状態を把握できます。
また「ダイバーシティー(多様性)」も重要な視点で、個人の体型や健康目標は多様であり、BMIだけで一律に健康を判断するのは適切ではありません。
筋トレの効果も、個人のライフスタイルや目的に応じて異なります。
この多様性を尊重し、個人に合った健康管理を考える事が現代のフィットネス文化において求められています。
科学的エビデンスに基づく筋トレのメリット
筋トレの健康効果は、多くの研究で裏付けられています。
以下に代表的なメリットを挙げます:
- 心血管疾患リスクの低減:筋力トレーニングは血圧やコレステロール値を改善し、心臓病の予防に寄与します(ACSM, 2021)。
- 代謝の向上:筋肉量の増加は基礎代謝を高め、肥満予防に役立ちます(Westcott, 2012)。
- メンタルヘルスの改善:筋トレはストレス軽減やうつ症状の緩和に効果的です(Gordon et al., 2018)。
これらのエビデンスを踏まえると、BMIの数値だけに囚われるのではなく、筋トレがもたらす多面的なメリットを評価することが重要です。
SNSの情報に惑わされないために
SNSの情報は短くインパクトのある発信が重視されがちです。
しかし健康やフィットネスに関する情報は、信頼できる科学的根拠に基づいて判断することが不可欠です。
以下のポイントを参考に、情報を賢く取捨選択しましょう:
- 出典を確認する:主張の根拠が信頼できる研究や機関に基づいているか確認しましょう。
- 全体像を考える:単一の指標(例:BMI)に頼らず、複数の健康指標を総合的に評価しましょう。
- 多様な視点を受け入れる:健康やフィットネスのアプローチは人によって異なります。自分に合った方法を見つけることが大切です。
結論:バランスと多様性を大切に
「筋トレはBMIを上げるから避けるべき」という主張は科学的根拠に欠け、極端な二元論に陥りがちなSNSの風潮を象徴しています。
健康を考える上ではBMIだけでなく、体組成や生活習慣、個々の目標を総合的に評価することが重要です。
アウフヘーベンの考え方を活かし、対立する意見の良い部分を統合することで、よりバランスの取れた視点が得られます。
またダイバーシティーを尊重し、個々に合った健康管理を追求する事が現代のフィットネス文化において求められています。
SNSのノイズに惑わされず、科学的根拠に基づいた情報を選び、賢く健康管理を行いましょう。
あなたにとって最適なフィットネスの第一歩は、自分自身の目標と体を理解することから始まるのだと言う話です。
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