ベンチプレスが肩こり解消に役立つ理由を血液還流量・神経の滑走性・相反神経支配の視点から科学的に解説。

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

肩こりの原因や患部は人それぞれなので、絶対にベンチプレスを行えば肩こりが解消されるわけではありませんが、ベンチプレスは特定のメカニズムを通じて肩こりの緩和に効果的である可能性は非常に高いです。

この記事では血液還流量の増加、神経の滑走性、相反神経支配の3つの科学的観点から、ベンチプレスが肩こり解消にどう役立つかを詳しく解説します。

肩こりにお悩みの方や、トレーニングで健康を改善したい方はぜひ参考にしてください。

1. 血液還流量の増加による肩こり解消のメカニズム

肩こりは僧帽筋上部や肩甲挙筋、斜角筋などの筋肉が過緊張し、血流が不足することで発生します。

血流不足は筋肉の硬直や代謝産物(乳酸など)の蓄積を引き起こし、痛みやコリ感を悪化させます。

ベンチプレスがこの問題をどのように改善するのか、以下に詳しく説明します。

筋ポンプ作用による血流促進

ベンチプレスは大胸筋や上腕三頭筋、前鋸筋といった大きな筋群を動かす複合運動です。

これらの筋肉が収縮・弛緩することで「筋ポンプ作用」が働き、静脈血やリンパ液の還流が促進されます。この結果、肩周りの筋肉に酸素や栄養が供給され、代謝産物が効率的に排出されます。

特に僧帽筋上部や斜角筋の血流不足が肩こりの原因である場合、この血流改善がコリ感の軽減に直結します。

肩甲骨周りの筋肉の動員

ベンチプレスでは、肩甲骨を安定させるために僧帽筋(中部・下部)、菱形筋、前鋸筋が補助的に働きます。

これにより肩甲骨周辺の血流が促進され、肩こりの原因となる僧帽筋上部の硬さが緩和されます。

さらに胸郭の動き(バーを下ろす・上げる動作)が静脈還流を助け、胸郭出口付近の血流停滞を改善します。

全身的な循環の向上

ベンチプレスは上半身の大きな筋群を動かす為に心拍数が上がり、全身の血流が増加します。

この全身的な血流促進は肩周りの筋肉に酸素を豊富に供給し、筋肉の硬直や軽度の炎症を軽減します。

これにより、肩こりの症状が緩和される可能性が高まります。

2. 神経の滑走性の改善による肩こり解消

神経の滑走性(nerve gliding)とは神経が筋肉や筋膜、骨などの周辺組織に対してスムーズに移動する能力を指します。

肩こりの場合、猫背や姿勢不良により腕神経叢(brachial plexus)や正中神経、橈骨神経、尺骨神経などが圧迫され、滑走性が低下することがあります。

この神経の圧迫が肩こりの不快感を増幅させます。

ベンチプレスが神経の滑走性をどのように改善するのか、以下に解説します。

肩甲骨と胸郭の動きによる神経のストレッチ

ベンチプレスでは肩甲骨の内転や胸椎に伸展など胸郭の動きが発生します。

この動作により、腕神経叢や関連する末梢神経が軽度に伸張・滑走し、神経の圧迫が緩和されます。

特に僧帽筋上部や斜角筋による神経の圧迫が肩こりの原因である場合、ベンチプレスの動的な動きが神経の滑走性を回復させ、症状を軽減します。

筋肉の収縮・弛緩による神経周囲の環境改善

ベンチプレスで動員される大胸筋や前鋸筋の収縮・弛緩は筋膜や結合組織の動きを促し、神経が通るトンネルの圧迫を軽減します。

これにより神経の滑走性が向上し、肩こりに関連する神経の過敏性が抑制されます。

血流改善による神経の栄養供給

神経の滑走性が低下する原因の一つは、血流不足による神経周囲の組織の硬化や軽度の炎症です。

ベンチプレスによる血流促進は神経に酸素や栄養を供給し、滑走性を妨げる浮腫や炎症を軽減し、これにより肩こりの不快感が和らぎます。

3. 相反神経支配による肩こり解消

相反神経支配(reciprocal innervation)は、ある筋肉(主働筋)が収縮する際に、それに拮抗する筋が弛緩し、関節運動をスムーズに行えると言う神経メカニズムです。

この仕組みがベンチプレスによる肩こり解消にどのように関わるのか見てみましょう。

大胸筋の収縮による僧帽筋の弛緩

ベンチプレスは主に大胸筋と上腕三頭筋を動かします。

これらの筋肉が収縮する際、相反神経支配により僧帽筋上部や肩甲挙筋などの拮抗筋が弛緩します。

肩こりの原因となるこれらの筋肉の過緊張が緩和されることで、コリ感が軽減されます。

肩甲骨の安定化と筋バランスの調整

ベンチプレスでは肩甲骨を安定させるために前鋸筋や菱形筋が働き、それにより僧帽筋上部の過剰な緊張を抑制します。

この相反神経支配による筋肉のバランス調整が、肩こりの原因となる筋肉の硬直を和らげます。

神経系の調整

相反神経支配は脊髄レベルの反射(Ia抑制)によって調節されます。

ベンチプレスを行うことでこの神経メカニズムが活性化し、肩周りの筋肉の過剰な興奮状態が抑制されます。

その結果として筋肉のバランスが整い、肩こりが軽減される可能性があります。

ベンチプレスを行う際の注意点

ベンチプレスで肩こりを効果的に解消するためには、以下の点に注意してください。

  • 正しいフォームを意識する
    肩をすくめると僧帽筋上部に負担がかかり、肩こりが悪化する可能性があります。肩甲骨を下げ、胸を張るフォームを維持しましょう。
  • 適切な負荷を選ぶ
    過度な重量は筋肉や神経にストレスを与え、血流や滑走性を阻害するリスクがあります。コントロール可能な負荷でトレーニングを行いましょう。
  • ウォームアップとストレッチを組み合わせる
    ベンチプレス前後に肩甲骨周りのストレッチや神経滑走運動を行うと、血流促進や神経の滑走性向上がさらに期待できます。

まとめ

ベンチプレスが肩こり解消に役立つ理由は、以下の3つの科学的メカニズムに基づいています。

  1. 血液還流量の増加: 筋ポンプ作用や肩甲骨・胸郭の動きによる血流促進が、筋肉の硬直や代謝産物の蓄積を軽減。
  2. 神経の滑走性: 肩甲骨の動きや筋肉の収縮・弛緩が神経の圧迫を緩和し、滑走性を向上。
  3. 相反神経支配: 大胸筋の収縮による僧帽筋の弛緩が、肩こりの原因となる筋肉の過緊張を抑制。

ただし肩こりの原因は個人差が大きく、ベンチプレスが全ての方に効果的とは限りません。

正しいフォームと適度な負荷を心がけ、必要に応じて専門家に相談しながら取り組むことをおすすめします。

ベンチプレスが苦手であれば、マシンチェストプレスやケーブルチェストフライ、ペックデッキで代替するのも良いかもしれません。

マッサージや整体も良いものですが、肩凝りや腰痛などの関節痛を本質から考えた時、筋力トレーニングが最適解なのでは?と言う話です。

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