アスリートの持久力向上に欠かせないAT、LT、OBLAという指標:その仕組みと効果的な活用法

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。

持久力を高めたいアスリートにとって、「AT(無酸素性作業閾値)」「LT(乳酸閾値)」「OBLA(乳酸蓄積開始点)」は重要な指標です。

これらの指標を理解し、トレーニングに活用する事でパフォーマンスを効率的に向上させることができます。

本記事ではAT、LT、OBLAの定義や特徴、具体的なトレーニング方法を解説し、実際の例としてEXILEのHIROさんの驚異的なエピソードも紹介します。


1. AT(無酸素性作業閾値)とは?定義と特徴

AT(Anaerobic Threshold)は、運動中に有酸素代謝から無酸素代謝への移行が始まるポイントです。

この強度を超えると、酸素供給が追い付かなくなり、乳酸が蓄積し始めます。

具体的には、心拍数が最大心拍数(MHR:220-年齢)の約60~70%(例:30歳で120~140 bpm)で発生します。

  • 特徴:呼吸がやや荒くなり、軽い疲労感を感じる「ちょっとキツいけど続けられる」強度。
  • 測定方法:トレッドミルやエルゴメーターでの呼吸ガス分析や心拍数測定で特定します。
  • 意義:AT以下のペースは長時間の運動に適しており、持久力の基礎を築きます。

実例:マラソンランナーがキロ5分のペースで走る際、AT以下なら会話が可能な快適な状態を維持できます。

このペースでのロング走は、有酸素能力や脂肪燃焼効率を高めるのに最適です。


2. LT(乳酸閾値)とは?定義と特徴

LT(Lactate Threshold)は、血中乳酸濃度が急上昇し始める運動強度を指します。

乳酸の生成速度が除去速度を上回るポイントで、通常、心拍数はMHRの70~85%(140~160 bpm)です。

  • 特徴:乳酸が蓄積し始め、筋肉に軽い「焼ける」感覚が現れる。「会話が少し難しい」強度。
  • 測定方法:血液検査で乳酸濃度(2~3 mmol/L)を測定、または換気閾値から推定。
  • 意義:LTが高いアスリートは、高強度で長時間運動を継続できます。

実例:サイクリストがヒルクライム中にLTペース(例:心拍数150 bpm)で走ると、脚の疲労感が増します。

LTペースでのテンポラン(20~30分)を週1~2回行うと、乳酸処理能力が向上し、LTが上がることでレースペースが向上します。


3. OBLA(乳酸蓄積開始点)とは?定義と特徴

OBLA(Onset of Blood Lactate Accumulation)は血中乳酸濃度が4 mmol/Lに達するポイントで、LTよりも高い強度です。

この時点では乳酸が急速に蓄積し、筋肉のpHが低下して運動継続が難しくなります。

心拍数はMHRの85~90%以上(160~180 bpm)です。

  • 特徴:「会話がほぼできない」限界に近い強度。短時間で疲労がピークに。
  • 測定方法:血液検査で乳酸濃度を測定。
  • 意義:OBLAを高めるトレーニングは、短時間の高強度パフォーマンスを強化します。

実例:800m走の選手が全力疾走でOBLAに達するとゴール手前で脚が重くなり、ペース維持が困難になります。

400mインターバル(例:キロ3分ペース、6本)を週1回行うと、OBLAが上がり、高強度での耐久力が増します。


4. AT、LT、OBLAの関係とトレーニングへの活用強度の順序

  • AT < LT < OBLA
    • AT:有酸素代謝が主で、持久力の基礎を強化。
    • LT:乳酸蓄積が始まり、レースペースに近い強度。
    • OBLA:乳酸が急速に溜まり、限界に近い高強度ゾーン。

トレーニング例

  1. ATペース(心拍数120~140 bpm)
    • 内容:60分のジョギング(会話可能なペース)。
    • 効果:有酸素能力の向上、脂肪燃焼効率の強化。
    • 例:マラソン初心者がキロ6分で走るロング走。
  2. LTペース(心拍数140~160 bpm)
    • 内容:20~30分のテンポラン(会話が少し難しいペース)。
    • 効果:乳酸閾値を高め、レースペースでの持久力向上。
    • 例:ハーフマラソン向けにキロ4分30秒で走る。
  3. OBLAペース(心拍数160~180 bpm)
    • 内容:400m×6本(1分休息、キロ3分ペース)。
    • 効果:乳酸処理能力を高め、高強度での耐久力強化。
    • 例:短距離走者が全力疾走の耐性を強化。

5. 短時間カーディオでの高強度トレーニング

多くの指導者が「脂肪燃焼ゾーン(心拍数120~130 bpm)」を推奨しますが、10~15分のカーディオマシンでは高強度(LT~OBLAゾーン)が効果的です。

理由は以下の通りです。

  • カロリー消費:高強度では15分で200~300 kcal消費可能。
  • アフターバーン効果(EPOC):運動後も代謝が続き、脂肪燃焼が持続。
  • 持久力向上:LTやOBLAを高め、より高い強度で長く動ける体に。

実践プラン:12分のHIIT

  • ウォームアップ(3分):心拍数110~130 bpm(速度5~6 km/h)。
  • インターバル(8分):1分全力(心拍数160~180 bpm)+1分回復(120~130 bpm)を4セット。
  • クールダウン(1分):心拍数100~110 bpm。
  • 効果:カロリー消費と心肺機能の強化、アフターバーンによる脂肪燃焼。

6. EXILE・HIROの驚異的なエピソード

EXILEのリーダー・HIROさんのトレーニングエピソードは、アスリートにとって大きなインスピレーションを与えます。

2014年のインタビュー(GOETHE誌)によると、40代のHIROさんはコンサート前のウォームアップとしてエアロバイクで心拍数200 bpm以上を2~3分維持。

この強度は最大心拍数を大幅に超える領域で、OBLAを遥かに超えた「限界ゾーン」です。

  • なぜすごい?
    40代で心拍数200 bpmを維持するには、卓越した心肺機能と乳酸処理能力が必要です。HIROさんのストイックなトレーニング(禁煙、体脂肪率3%まで絞るなど)は、EXILEの爆発的なパフォーマンスの裏付け。
  • 学び:年齢に関係なく、継続的な高強度トレーニングで限界を押し上げることが可能。HIROさんの「口から心臓が飛び出しそう」という表現は、OBLAを超えた過酷さを物語ります。

7. 注意点と実践のコツ

  • 個人差を考慮:AT、LT、OBLAは年齢や体力で異なります。心拍数モニターや専門家のテストで正確なゾーンを把握しましょう。
  • ウォームアップ必須:高強度運動前には3~5分の軽い運動(120~130 bpm)でケガを防ぎます。
  • 頻度:高強度トレーニングは週2~3回が理想。過度な実施はオーバートレーニングのリスクを高めます。
  • 感覚の目安:
    • AT:会話が楽。
    • LT:一言二言しか話せない。
    • OBLA:話す余裕なし。

8. まとめ:AT、LT、OBLAを活用して持久力を最大化

AT、LT、OBLAはアスリートの持久力向上に不可欠な指標です。

ATペースで基礎を固め、LTペースでレース強度を強化、OBLAペースで限界を押し上げるトレーニングを組み合わせる事で効率的にパフォーマンスを向上させられます。

短時間のトレーニングでは、LT~OBLAゾーンの高強度インターバルが効果的です。

EXILEのHIROさんのエピソードは、年齢や限界を超える努力の象徴。

あなたもこれらの指標を活用し、自身の持久力を次のレベルに引き上げてみませんか?

具体的なトレーニングプランや測定方法についてさらに知りたい方は、専門家への相談や心拍数モニターの活用をおすすめします。

何事もまずは知る事から始まると言う話です。

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