筋力トレーニングが免疫力を高める理由と、その科学的根拠

近年、健康維持や免疫力アップのために「筋力トレーニング(筋トレ)」が見直されています。
「運動すると体温が上がって免疫力が上がる」という話はよく耳にしますが、実際のところはどうなのでしょうか?
ここでは信頼できる研究をもとに、筋トレがなぜ免疫力に良い影響を与えるのかを丁寧にご説明します。
運動によって体温が上がると、免疫細胞は活性化する運動をすると深部体温が一時的に0.5~1℃ほど上昇します。
このわずかな体温上昇が、免疫細胞の働きを高めるきっかけになる事が多くの研究で示されています。
- 熱ショックプロテイン(HSP)の産生が増える
- NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性が向上する
- 白血球の移動速度が速くなる
特に適度な強度の運動(最大心拍数の60~70%程度)を行った後、数時間にわたってこれらの効果が続くことが確認されています(Pedersen & Hoffman-Goetz, 2000; LaVoy et al., 2011など)。
ただしよく言われる「体温が1℃上がると免疫力が5~6倍になる」という表現は、残念ながら科学的な根拠としては非常に弱く、過大表現に該当します。
あくまで「一時的に免疫機能が活性化する方向に働く」というのが、現時点での正確な理解です。
筋トレが長期的に免疫力を支える本当のメカニズム筋トレの免疫力への効果は、単なる「その場の体温上昇」だけではありません。
継続的に筋トレを行うことで、次のような変化が体に起こります。
- 筋肉量が増える → マイオカイン(IL-6、IL-15など)の分泌が増加
→ 抗炎症作用が強まり、慢性炎症が抑えられる - テストステロンや成長ホルモンの分泌促進
→ 免疫細胞の分化・成熟をサポート - ストレスホルモン(コルチゾール)の過剰分泌が抑制される
→ 免疫抑制が起こりにくくなる
実際に週2~3回の筋力トレーニングを3~6ヶ月続けた人では、炎症マーカー(CRP)が低下し、免疫機能のバランスが改善したという複数の研究があります(Calle & Fernandez, 2010; Phillips et al., 2017など)。
免疫力を高めるために実践したい3つのポイント
- 週2~3回の筋力トレーニング
大筋群(脚・背中・胸)を中心に、8~12回程度が挙げる重量で行うのがおすすめです。 - 質の高い睡眠
成長ホルモンや免疫細胞の修復は、深い睡眠中に最も活発になります。 - バランスのとれた食事
タンパク質・ビタミンD・亜鉛などを意識して摂取しましょう。
まとめ:筋トレは「免疫力アップ」に確かな効果が期待できる生活習慣です
「体温が1℃上がると免疫力が5~6倍になる」というインパクトのある表現は魅力的ですが、実際の科学ではそこまで劇的な数字は示されていません。
それでも筋力トレーニングが一時的・長期的に免疫機能をサポートすることは、多くの研究が裏付けています。
正しい知識のもとで、ぜひ無理のない範囲で筋トレを生活に取り入れてみてください。
あなたの毎日に、健康と活力がプラスされるはずですよと言う話です。
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