ディップスは本当に「上半身のスクワット」なのか?

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。 

多くのトレーニーが一度は耳にしたことがある言葉——「ディップスは上半身のスクワットである」

この名言は、高強度トレーニングの継承者であるマイク・メンツァーが残したものです(原典インタビュー映像)。

アーノルド・シュワルツェネッガーもディップスをこよなく愛用していましたが、なぜこの種目が40年以上経った今でも最高峰の複合種目と呼ばれるのか?

その答えはアナトミートレインと運動連鎖にあります。

1. ディップスが「胸トレ」だけではない本当の理由

一般的にディップスは大胸筋下部・上腕三頭筋・三角筋前部を鍛える種目と思われがちですが、EMG研究では驚異的な体幹関与が明らかになっています。

  • Boeckh-Behrens & Buskies(2000)『Krafttraining – Die besten Übungen und Methoden』
    → 深いディップスで**腹直筋上部がクランチの70~80%**の活性化を示す(書籍p.184-187)
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  • Stuart McGill(2014)論文「Core Training: Evidence Translating to Better Performance and Injury Prevention」
    → ディップス(特にリング)は**腹横筋がプランクの120~150%**に達する
    PubMedリンク

2. アナトミートレインで読み解くディップスの真価

トーマス・マイヤーズが提唱するアナトミートレイン理論(公式サイト/書籍3版)では、以下の2ラインがディップスで最大限に活性化します。

【Superficial Front Line(表層フロントライン)】
胸骨 → 大胸筋 → 腹直筋鞘 → 腹直筋→ ボトムで強烈なプレストレッチが発生

【Deep Front Line(深部フロントライン)】
横隔膜 → 大腰筋 → 腹横筋 → 骨盤底筋群→ 体幹を固く保つために腹横筋が「自然なコアセット」として機能(参考:Anatomy Trains 3rd Edition, Chapter 5 & 6)

3. だからこそ「上半身のスクワット」と呼ばれる

下半身のスクワットが
・大腿四頭筋・ハム・臀筋・脊柱起立筋・コアを一つの運動連鎖で刺激するように、ディップスは・大胸筋下部・三角筋前部・上腕三頭筋・腹直筋・腹横筋・前鋸筋を一つの筋膜ラインで同時に鍛えます。

これがメンツァーが「Dips are the upper body squat」と断言した真意です(Heavy Duty II 書籍原文)。

4. 実践者だからこそわかる「翌日の筋肉痛」の正体

深いディップス翌日に「お腹の奥が筋肉痛……」と感じるのは、腹横筋と腹直筋上部がしっかり働いた科学的証拠です(McGill 2010, 2014)。

まとめ:ディップスは最強の複合種目

  • 胸トレだと思われがちだが、実際はフロントライン全体を鍛える全身運動
  • アナトミートレイン・運動連鎖の観点からも理論的裏付けは十分
  • マイク・メンツァーの名言は、2025年現在も色褪せない

次回の胸の日、ぜひ「胸を深く沈める」「腰を反らせない」「体を一直線に保つ」を意識してディップスに挑戦してみてください。

必ず「これが上半身のスクワットか……!」と体感できるはずですよと言う話です。

滋賀県大津市月輪1丁目3-8 アルプラザ瀬田4F 女性専用フィットネスLBC 

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【参考文献・リンク一覧】

  • Boeckh-Behrens & Buskies (2000) → 書籍
  • McGill (2014) Core Training Evidence → PubMed
  • Anatomy Trains 3rd Edition → 公式
  • Mike Mentzer “Dips are the upper body squat” 原典 → YouTubeインタビュー

【関連キーワード】
ディップス/上半身のスクワット/アナトミートレイン/運動連鎖/腹横筋/大胸筋下部/マイク・メンツァー/コアトレーニング/筋筋膜ライン