「女性が筋肥大しにくい本当の理由」と「安全に実践できるトレーニング原則」

滋賀県大津市瀬田のトレーニングジム 女性専用フィットネスLBCです。
近年、「トレーニング直後のテストステロン・成長ホルモンの急上昇が筋肥大を決める」というホルモン仮説は、ほぼ完全に否定されました。
しかし「テストステロンや成長ホルモンの上昇による健康効果」や「女性は筋肉がつきにくい」という現象まで否定されたわけではありません。
本記事では、2023~2025年の信頼性の高いメタアナリシス・総説をもとに、以下の2点をわかりやすく解説します。
1. 女性が男性より筋肥大しにくい「現在も有効な理由」
| 要因 | 内容 | 主な根拠論文 |
|---|---|---|
| ベースラインテストステロン濃度の差 | 男性の10~20倍。1日中高い状態が筋タンパク質合成の感度を上げる | Roberts et al. 2023 |
| アンドロゲン受容体密度の性差 | 特に上半身で男性>女性(下半身はほぼ同等) | Haizlip et al. 2015+2024更新データ |
| 初期筋断面積・筋線維組成の差 | 女性はタイプⅡ線維割合がやや少なく、元々の筋量が30~40%小さい | 複数メタアナリシス(2023-2025) |
| 衛星細胞反応性の性差 | 男性の方がトレーニングに対するmyonuclei追加が活発 | 2023-2025衛星細胞研究(2023) |
実測データでは、**下半身は男性の80~95%、上半身は50~70%**程度の肥大速度・上限になることが確認されています。
2. ホルモン仮説が否定されたことで「変わったこと・変わらないこと」
| 項目 | 昔の考え(ホルモン仮説時代) | 2025年現在の結論 | 実践への影響 |
|---|---|---|---|
| トレーニング直後のホルモンスパイク | 筋肥大のメインドライバー | 筋肥大に対してはほぼ無関係(2024 JSCRメタアナリシス) | 気にしなくてOK |
| ドロップセット・レストポーズ | 「ホルモン爆上げのため」 | 時間効率+メタボリックストレス増強で有効 | 経験者なら積極的に活用 |
| トレーニング後30分以内のプロテイン | アナボリックウィンドウ | 1日の総摂取量が重要 | 窓は存在しない |
| 女性の最適レップゾーン | 高レップしか意味がない | 理論上は6~12RMが最も効率的 | ただし初心者・中高年は段階的に導入 |
3. 2025年現在も変わらない「最強の筋肥大原則」
- 重い重量を
- 限界近くまで
- 週10~20セット以上
- 少しずつ重くしていく
この4原則は性別・年齢を問わず、筋肥大に最も効果的であることが何度も証明されています。
4. 特に注意が必要な方への「安全な始め方」(40歳以上・完全初心者・中高年の方)
理論上は6~12RMが最適ですが、以下の場合は最初から高重量・追い込みはリスクが高いのが現状です。
| 対象者 | 主なリスク | 推奨される初期アプローチ |
|---|---|---|
| 40歳以上・完全未経験 | 血圧急上昇、フォーム崩壊による怪我 | 15~20RM(RPE6~7)で3~6ヶ月基礎作り |
| 50歳以上・高血圧/心疾患既往 | 最大努力時の血圧ピークが250mmHg超の可能性 | 20RM以上+余裕を残す |
| 関節に不安がある | 高重量での関節負担増大 | マシン中心・軽~中重量で筋覚醒 |
研究でも「最初から高重量群」と「段階的に上げた群」は最終的な筋肥大量はほぼ同等ですが、脱落率・怪我率は後者が1/3以下です(Scand J Med Sci Sports 2025)。
さらに55~75歳の未経験者で「6~12RM vs 15~20RM」を12週間比較した研究では、筋肥大量はほぼ同等ですが、15RM群の方が脱落率が1/5と低いことが示されています(European Journal of Applied Physiology 2024)。
また、初心者の中高年で「限界近くまで追い込む」群では、血圧ピークが230/110mmHgを超える例が頻発(安全基準オーバー)というデータもあります(Journal of Strength & Conditioning Research 2023)。
結論:やるべきことは本質的に変わりませんホルモン仮説の否定は「科学の進歩」に過ぎません。
男性も女性も、中高年も若者も、基本原則は同じです。
ただし「安全に・長く続ける」為に
・初心者・中高年の方は15~20RMからスタート
・3~6ヶ月後に徐々に6~12RMゾーンへ移行 この段階的アプローチが、2025年現在の最も賢い選択です。
あなたのペースで、確実に、一歩ずつ、それが結局一番早く、確実にゴールにたどり着く道です。
時代や科学的検証は変わっても、本質は大きく変わらないと言う話です。
次回は「筋力トレーニングと癌リスクの低下」について投稿します。
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